2003年3月初旬より当院周辺では急性胃腸炎が流行しています.激しい嘔吐,5-7日間継続する下痢,発熱など症状は一様でありません.B型インフルエンザ,ロタウイルス感染症,小形球形ウイルスによる胃腸炎の3つが同時に流行しています.

(1)B型インフルエンザ
38-39℃の発熱で発症します.A型インフルエンザほど高熱ではありません.吐き気,頭痛,関節痛を伴うことがあります.吐き気はそれほど強くありませんが,飲食ができずにアセトン血性嘔吐症(いわゆる自家中毒)になってぐったりすることがあります.こうなると点滴が必要です.インフルエンザ迅速診断キットで診断します.抗インフルエンザ薬のタミフルが有効です.吐き気は通常1日程度で軽快します.肺炎,中耳炎,筋炎などを合併することがあり,注意が必要です.

(2)ロタウイルス感染症
頻回の嘔吐,激しい下痢が主症状です.発病1または2日目に発熱することがあります.
便はクリーム色,豆腐かすのような白色,うすい緑色(草色)になります.下痢は水様で,1日10回以上になることがあり,7-10日間続きます.嘔吐が激しく,下痢は頻回で,容易に脱水になってしまいます.飲食ができずにアセトン血性嘔吐症(いわゆる自家中毒)になることがあります.多くは点滴または入院が必要になります.まれに痙攣を起こすことがあります.ロタウイルスは数種類あるので,複数回感染することがあります.

(3)小形球形ウイルスによる胃腸炎
突然の嘔吐で発症します.嘔吐は半日から1日程度続きます.嘔吐のあとに下痢が始まります.病初に発熱を伴うことがあります.嘔吐が激しく,アセトン血性嘔吐症(いわゆる自家中毒)になって,点滴が必要になることがあります.感染力が強く,学校や保育所で流行します.小形球形ウイルスは食中毒の原因になることがあるため,流行が食中毒と勘違いされることがあります.