予防接種には,定期接種と任意接種があります.定期接種には,B型肝炎,ヒブ,小児用肺炎球菌,4種混合,2種混合(DT),BCG,麻疹風疹混合,麻疹,風疹,水痘,日本脳炎,子宮頸ガンワクチンがあり,公費で接種を受けることができます.一方,任意接種には,ロタ,おたふくかぜ,A型肝炎,髄膜炎菌,インフルエンザワクチンがあり,希望者が費用を自己負担して接種を受けます.

任意接種のうち,ロタ,おたふくかぜ,インフルエンザワクチンは接種率が高く,当院ではロタワクチンとおたふくかぜワクチンは乳幼児の9割が,インフルエンザワクチンはかかりつけのお子さんのほとんどが接種を受けています.

今回は,A型肝炎ワクチンと髄膜炎菌ワクチンについて述べます.

A型肝炎は,A型肝炎ウイルスにより起こる感染症です.A型肝炎ウイルスに汚染された水,カキなどの2枚貝,その他の魚介類,野菜,果物などを生で食べることにより感染します.潜伏期間は2-7週間(平均4週間)で,38℃以上の発熱,倦怠感,頭痛,筋肉痛,腹痛などの症状が急激に出現します.多くは1-2カ月の経過で回復しますが,まれに劇症化することがあります.A型肝炎ワクチンは,日本では2013年3月より接種対象に対する年齢制限がなくなり,特に感染症流行国への渡航を予定している場合には接種が推奨されます.世界保健機構(WHO)のガイドラインでは,1歳以上の小児に接種が推奨されています.通常は2回の筋肉内または皮下接種を2-4週間隔で行い,2回目接種後24週間を経過した後に1回の追加接種を行います.主な副反応は,発熱,倦怠感,頭痛,注射部位の疼痛,発赤,搔痒感,腫脹,硬結などです.

侵襲性髄膜炎菌感染症は,髄膜炎菌が原因で起こる感染症です.髄膜炎菌が,くしゃみなどの飛沫感染により伝播し,気道を介して血中に入り,さらに血液や髄液にまで侵入し,敗血症や髄膜炎を起こします.感染すると高熱,皮膚や粘膜における出血斑,関節炎などの症状が現れ,頭痛,吐き気,精神症状,項部硬直などの髄膜炎症状を呈します.早期診断が難しく,適切な治療が行われない場合には急速に悪化します.致死率が高い感染症です.乳幼児と10代後半に発症のピークがあります.治療には抗菌薬を用います.日本では,2015年5月より4価髄膜炎菌ワクチンが使用できるようになりました.国内臨床試験が2歳-55歳を対象に実施されたことから,接種対象は2歳以上です.接種回数は,1回の筋肉内注射です.主な副反応は,筋肉痛,倦怠感,頭痛,注射部位の疼痛などです.

任意接種は自費ですが,必要性がないということではありません.罹患すれば重症になることがある疾病ですので,なるべく接種を受けましょう.当院でも接種ができます.ご希望の方はご相談ください.