当院では,既に,「シダトレン スギ花粉舌下液(製造販売:鳥居薬品株式会社)」によるスギ花粉症の治療を多くの方に行っており,その効果を実感しています.6月より,シダトレンによる新規治療を再開します.スギ花粉飛散時期はスギ花粉に対する過敏性が高まっている場合が多いため,シダトレンの新たな投与開始はできません.新潟県では桜が全て散り終えてしばらくすると,スギ花粉は飛ばなくなります.6月は,シダトレンの開始時期として安全です.

スギ花粉症の治療には,第2世代抗ヒスタミン薬やロイコトリエン受容体拮抗薬の内服,ステロイド点鼻液,抗ヒスタミン点眼液などが用いられます.これらの薬剤を使用すると症状は軽減しますが,スギ花粉症が治るわけではありません.シダトレンを用いた舌下免疫療法はアレルゲン免疫療法のひとつで,根本的な治療法です.スギ花粉を少量から投与することで,からだをスギ花粉に慣らしていきます.

シダトレンを72-83週間服用することにより,スギ花粉症の鼻および眼症状が軽減し,治療薬の使用が減少し,生活の質が改善します.シダトレンの効果は70%程度で,全てのスギ花粉症患者に有効というわけではありません.シダトレンの服用を3年間継続すると,治療を中止しても7年間程度は効果が持続します.スギ花粉症が再発した場合には,シダトレンを再開・持続すると再度効果が得られます.

シダトレンの適応は,12歳以上のスギ花粉症患者です.問診によりスギ花粉症の症状があることが確認され,皮膚テストまたは特異的IgE抗体検査によりスギ花粉症の確定診断がなされていなければなりません.

シダトレンの用法および用量は以下の通りです.
(1)増量期(1-2週間)
通常,成人及び12歳以上の小児には,増量期として投与開始後2週間,以下の用量を1日1回,舌下に滴下し,2分間保持した後,飲み込む.その後5分間は,うがい・飲食を控える.
1週目増量期:シダトレン200JAU/mLボトルを使用し,1-2日目は0.2mL,3-4日目は0.4mL,5日目は0.6mL,6日目は0.8mL,7日目は1mL
2週目増量期:シダトレン2000JAU/mLボトルを使用し,1-2日目は0.2mL,3-4日目は0.4mL,5日目は0.6mL,6日目は0.8mL,7日目は1mL
(2)維持期(3週目以降)
増量期終了後,維持期として,シダトレン2000JAU/mLパックの全量1mLを1日1回,舌下に滴下し,2分間保持した後,飲み込む.その後5分間は,うがい・飲食を控える.

シダトレンの主な副作用は,口内炎,舌の下の腫れ,喉のかゆみ,耳のかゆみ,頭痛などです.

シダトレン投与によりショックやアナフィラキッシー等の発現の可能性があるため,初回投与時は医師の監督下で行い,投与後少なくとも30分間は安静に経過観察を受けなければなりません.妊婦はシダトレンの新たな投与開始はできません.シダトレン服用中に妊娠が判明した場合のシダトレン続行は可能です.高血圧の治療でβブロッカーを服用している場合には,シダトレンの投与は受けられません.シダトレンによりアナフィラキシーが生じた場合,エピネフリンの効果が減弱するからです.重症の気管支喘息患者はシダトレンを服用できません.

シダトレンの処方は,事前に関連学会が主催する「舌下免疫療法の講習会」を受講修了し,続いて「シダトレン適正使用eラーニング」を受講修了した後,「シダトレン適正使用eテスト」に合格することで「受講修了医師」として登録される必要があります.当院は前述した諸手続きを完了し,既に希望者にシダトレンの処方を行っています.

「スギ花粉症を治したい!」と思う12歳以上の方は,成人も含め,是非当院にご相談ください.シダトレンを処方します.シダトレンは初回投与のみ,院内で30分以上の経過観察が必要です.初回処方に限り,午前診療の場合には10:45,午後診療の場合には16:45までに受診してください.