日本気象協会は,2017年12月7日に「2018年春の花粉飛散予測(第2報)」を発表しました.北海道はシラカンバ花粉,本州以南はスギ・ヒノキ花粉についての予測です.以下,主にスギ花粉について述べます.

<2017年夏の気象>
スギ花粉の飛散数には,前年夏(6-8月)の気象条件が大きく影響します.気温が高く,日照時間が多く,雨の少ない夏は花芽が多く形成され,翌春の花粉の飛散数が多くなります.花芽は夏の早い段階で育つため,とくに6-7月の気象条件が重要です.2017年の夏の気温は,北海道,東北,北陸では平年(1981-2016年の平均値)並みでしたが,それ以外の地域は高めでした.日照時間は,北海道,東北,関東甲信では平年並みでしたが,それ以外の地域では多めでした.降水量は,北海道,東北,北陸では多く,関東甲信,東海,九州では少なく,近畿,中国,四国では平年並みでした.

<前シーズンとの比較>
2018年春の花粉飛散量は,前シーズンに比べ,北海道,九州では少なく,東北,関東甲信,北陸,東海,近畿,四国では多く,中国では前シーズン並みとなる見込みです.東北,関東甲信,四国では,前シーズンの1.5倍以上の花粉飛散量が予測されており,注意が必要です.

<例年(2008-2017年の平均値)との比較>
2018年春の花粉飛散量は,例年に比べ,北海道,北陸,中国,四国では少なく,東海では多く,東北,関東甲信,近畿,九州では例年並みとなる見込みです.

<花粉飛散開始時期>
2018年春のスギ花粉の飛散開始は例年並みで,2月上旬に九州,中国,四国,東海,関東地方の一部から花粉シーズンが始まる見込みです.2018年の1-2月の気温は,北日本では平年並みかやや高く,東日本と西日本では平年並みでしょう.この時期の気温が高いとスギ花粉の飛散開始が早まります.2018年春のスギ花粉の飛散開始は全国的に大きく早まることはなく,例年並みとなる見込みです.飛散開始日は,「1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を2日連続して観測した場合の最初の日」と定義されています.実際には,スギ花粉は飛散開始日の前から僅かな量が飛び始めます.2月上旬に飛散開始が予測される地域では,1月のうちから花粉対策を始めるとよいでしょう.

<新潟県における予測>
新潟県を含む北陸地方の2017年夏の気象は,気温は平年並み,日照時間は多く,降水量はかなり多かったです.花粉飛散量は前年比130%,例年比70%,飛散開始は2月25日から3月1日頃と予測されています.

「鼻アレルギー診療ガイドライン2016年版」では,強い花粉症症状を示す場合には”初期療法“が推奨されています.第2世代抗ヒスタミン薬,抗ロイコトリエン薬,鼻噴霧用ステロイド薬は花粉飛散予測日または少しでも症状が現れた時点で開始し,その他の薬剤では飛散予測日の1週間前をめどに治療を開始します.新潟県では飛散開始が2月下旬なので,2月11日の建国記念日を目安に治療を始めるか手元に薬剤を用意しておいた方がよいでしょう.

私自身,重症のスギ花粉症患者です.第2世代抗ヒスタミン薬,抗ロイコトリエン薬,鼻噴霧用ステロイド薬,点眼用抗ヒスタミン薬がないと,スギ花粉が飛散する2-4月は満足に日常生活を送ることができません.スギ花粉症の患者さんの気持ちがよく分かります.自身の経験をもとに,適切な治療薬を処方します.スギ花粉症の方は小児だけでなく成人の方も是非当院にご相談ください.