アレルギー性結膜炎には,ダニ,ハウスダストなどによる通年性アレルギー性結膜炎とスギ花粉などによる季節性アレルギー性結膜炎があります.薬物療法としては抗アレルギー点眼薬(パタノール点眼液,アレジオン点眼液など)が用いられますが,以下に述べるセルフケアを併せて行うことにより眼症状が軽くなります.

1.洗眼
人工涙液による洗眼は,眼表面に付着したダニ,ハウスダスト,花粉などのアレルゲンを洗い流してくれます.また,眼脂(めやに)に含まれている好酸球やアレルギー性炎症を起こす物質も除去してくれます.洗眼は頻回に行う方がよいため,市販されている防腐剤無添加の人工涙液(参天製薬:ソフトサンティアなど)を使用してください.使い切りタイプの防腐剤無添加の人工涙液(大正製薬:アイリスCL-Iネオなど)は,残液の汚染の心配がなく,より安全に使用できます.1本で5-6滴は点眼できるので,両眼を十分に洗眼できます.また,人工涙液を冷蔵庫で冷やして点眼すると,クーリング効果により症状を緩和できます.

人工涙液は抗アレルギー点眼薬の点眼後5分間以上たってから使用してください.せっかくの抗アレルギー点眼薬を人工涙液で洗い流しては意味がありません.

市販されているカップ式の洗浄器具を使用すると,眼周囲の皮膚に付着した汚れやアレルゲンが眼に入ってしまいます.また,洗浄液には点眼薬よりも高濃度の添加物や防腐剤が含まれている場合が多く,安全面からも好ましくありません.使用はやめましょう.

2.眼鏡(花粉防止用眼鏡)
アレルゲンの飛散時期には,ゴーグルの使用が有効です.花粉防止用としてプラスチックの覆いがサイドパネルとして一体化した眼鏡が販売されています.通常の眼鏡だけでも,眼表面に飛び込む花粉量を減少させることができます.

3.コンタクトレンズ装用時の注意点
眼の痒みが強く,充血,眼脂などの症状がある場合には,コンタクトレンズの装用を中止してください.眼症状が落ち着いていれば,1日使い捨てタイプのコンタクトレンズを装用してください.原則として,コンタクトレンズ装用前後で抗アレルギー点眼薬を点眼し,コンタクトレンズ装用時には防腐剤無添加人工涙液を使用してください.抗アレルギー点眼薬に含まれている防腐剤がコンタクトレンズに付着し,コンタクトレンズが変形することがあります.コンタクトレンズの上からの抗アレルギー点眼薬の点眼は推奨されません.コンタクトレンズを装用している場合には,防腐剤無添加の抗アレルギー点眼薬(アレジオン点眼液)の使用がよいでしょう.

4.学校行事(プール,屋外活動)

プールには消毒液として塩素が入っているので,水泳時にはゴーグルの装着が推奨されます.プールからあがったら直ぐに水道水で洗顔し,その後防腐剤無添加人工涙液で洗眼してください.水道水にも低濃度の塩素が含まれています.プールサイドに設置されている水道水による噴水式の洗眼用器具の使用は好ましくありません.

屋外活動後に眼症状が悪化することがあります.屋外活動後には洗顔とともに,防腐剤無添加人工涙液による洗眼が推奨されます.

現在,当院周辺ではスギ花粉が本格的に飛散しています.眼症状でお困りの方は当院にご相談ください.抗アレルギー点眼薬を処方します.併せて,上記に述べたセルフケアを行ってください.