食品中に含まれる添加物,着色料,甘味料などが原因で,アレルギー症状が出現する場合があります.主なものは以下の通りです.

エリスリトールは,甘味料の1つです.ブドウ糖を原料とし,酵母発酵で作られます.糖質,カロリーはゼロですが,砂糖の70%の甘味を持ちます.元々,梨やブドウなどの果物やキノコに含まれています.ワイン,洋酒,醤油などの発酵食品にも含まれています.近年は食品への使用が広がっており,低カロリー飲料,飴,ガム,野菜ジュース,ドレッシング,漬物,栄養剤などに含まれています.エリスリトールは分子量が小さく直線の鎖状の構造のため皮膚テストが陽性になりにくく,エリスリトールアレルギーは診断が難しいです.エリスリトールは多くの食品に含まれていますが,糖アルコールの1種のため「食品」扱いです.「食品添加物」ではないため,表示義務はありません.注意が必要です.

コチニール色素は,赤色色素の1つです.カイガラ虫の雌の虫体から抽出されます.ハム,ソーセージ,かまぼこ,カニかま,ジャム,イチゴシロップ,キャンディー,マカロン,漬物などの食品,口紅,マニュキュア,毛染め,アイシャドーなどの化粧品,医薬品などに含まれています.以前はリキュールのカンパリやファイブミニにコチニール色素が含まれていましたが,現在は使用されていません.コチニール色素による即時型アレルギーの発症は,成人女性に限られます.理由としては,コチニール色素を含む化粧品の使用により経皮感作が成立してしまうためと考えられています.コチニール色素には主色素のカルミン酸が2-4%含まれるため,食品には「コチニール色素」「カルミン酸」,化粧品には「コチニール」「カルミン被覆雲母チタン」などと表示されています.

ペクチンは,ゲル化剤としてジャムやゼリーを固める,増粘剤としてジュースやフルーツソースにとろみを付ける,安定剤としてアイスクリームの口当たりをよくするなどの目的で食品に広く使用されています.サトウダイコン,ヒマワリ,オレンジ,グレープフルーツ,ライム,レモン,リンゴなどから酸抽出されます.元々,リンゴ,オレンジ,レモン,ライムなどの果物,オクラやキャベツなどの野菜などに含まれており.特に果物の皮に豊富に含まれています.「1日1個のリンゴは医者いらず.」という諺がありますが,リンゴペクチンが水溶性食物線維としての働きに優れ,便通をスムーズにし,腸内細菌環境を整え,急激な血糖上昇を抑えるからです.近年,ペクチンは水溶性食物線維として栄養補助食品や医薬品にも使用されています.ペクチンはカシューナッツヤピスタチオと交差抗原性があるので,注意が必要です.

ポリガンマグルタミン酸は,食品の保存料,増粘剤,旨味成分として使用されています.調味料,スポーツ飲料,健康食品などに含まれています.このほか,保湿剤,医薬品,工業用品などにも広く使用されています.ポリガンマグルタミン酸は納豆菌が増殖する際に菌の乾燥を防ぐために分泌される物質で,納豆アレルギーの原因物質として知られて来ました.ポリガンマグルタミン酸はクラゲの毒針にも含まれているため,クラゲに刺されることで感作が成立します.このため,納豆アレルギーは,サーフィン,ダイビングなどのマリンスポーツ愛好者に多いという特徴があります.以前は納豆アレルギーの人は納豆を避けていればよかったのですが,現在はいろいろな食品にポリガンマグルタミン酸が含まれているため,納豆以外の食品にも注意が必要です.