ミティキュアは,ダニを原料とするエキスから作られた舌下免疫療法薬です.少量から服用することによって体を慣らし,ダニ通年性アレルギー性鼻炎の症状を和らげます.ミティキュアには,1週目に服用する3300JAU錠と2週目以降に服用する10000JAU錠の2種類があります.1日1回1錠,舌の下にお薬を置き,1分間保持した後,飲み込みます.その後5分間はうがいや飲食はできません.

ミティキュアは既に2015年8月に鳥居薬品株式会社から発売されており,保険診療上12歳以上が投与対象でした.2018年2月16日,小児への適応拡大が承認され,原則として5歳以上に投与が可能になりました.アレルギー性鼻炎で検査上ダニが陽性を示すお子さんには,ミティキュアを勧めています.9割以上の方がミティキュアの処方を希望されます.

当院で2018年3-4月の2カ月間にミティキュアの服用を開始した患者さんは,全部で196人(男児119人,女児77人,年齢5-15歳)でした.血中ダニ抗原は全員が陽性で,約6割は気管支喘息の合併例です.多くは,アレルギー性鼻炎の治療期間が数年以上に及んでいます.

2018年5月の時点で,196人中186人がミティキュアの服用を継続しています.しかし,副作用のため,7人は10000JAU錠から3300JAU錠に減量し,3人は服用を中止せざるを得ませんでした.減量した 7人は,年齢別には8歳が1人,9歳が2人,10歳が2人,13歳が2人,男女別には男児が 5人,女児が2人でした.7人全員が,10000JAU錠を服用すると喉がイガイガしてしまうため,3300JAU錠に減量して治療を継続しています.中止した3人は,6歳が1人,9歳が1人,14歳が1人で,いずれも男児でした.2人は喉がイガイガして不快,1人は気持ちが悪くなるため,3300JAU錠および10000JAU錠の服用を継続できませんでした.

ミティキュアを減量または中止した 10人を分析すると,男児が女児よりも多く,幼児には少なく年長児に多い傾向を示しました.気管支喘息やアトピー性皮膚炎などの他のアレルギー性疾患の合併は必ずしも多くありませんでした.検査所見では,ミティキュア継続可能例に比べ,血中や鼻汁中の好酸球が多い,血中のIgE RISTが高いというわけではありませんでした.一方,ダニのIgE RAST スコアを見ると,スコア2が1人,スコア3が1人,スコア4が4人,スコア6が4人で,ミティキュア継続可能例に比べ高いスコアを示しました.また,減量または中止例では,ダニだけでなく,ペット,春のスギ,初夏のハンノキ,シラカンバ,夏のカモガヤ,オオアワガエリ,秋のブタクサ,ヨモギの花粉など,他の吸入系抗原が陽性を示す場合が多いようでした.

私もダニ通年性アレルギー性鼻炎のため,ミティキュアを服用しています.3300JAU錠を服用した初日と2日目は喉がイガイガしてかなり不快でしたが,3日目以降は何も感じませんでした.現在は10000JAU錠の服用をしていますが,特段の問題はありません.ただし,たまに服用後30分間くらい声が少し嗄れるような気がしますが,軽微な症状のため治療を継続しています.

今回,196人の小児にミティキュアを投与し7人が減量,3人が中止を余儀なくされました.副作用のため,全体の約5%が通常の治療の継続ができず,1.5%が中止に至るという結果でした.ミティキュア舌下錠の能書には,副作用として口腔腫脹や浮腫,口腔搔痒感,口腔内不快感,口の錯感覚,咽頭刺激感,咽喉頭不快感,耳搔痒症が5%以上起こると記載されています.ミティキュアにはある程度の副作用がありますが,喉のイガイガなど軽微な症状の場合には続行が可能です.しかし,症状が強い場合には減量あるいは中止になる場合もあります.

ダニ通年性アレルギー性鼻炎を根本的に治したい場合には,当院にご相談ください.ミティキュアを用いて治療をします.