私は,アレルギー性鼻炎の患者です.検査上,抗原特異的IgEはダニ3点,ハウスダスト3点,スギ3点,ハンノキ2点,シラカンバ2点,オオアワガエリ2点,カモガヤ2点,ヨモギ1点です.ダニ通年性アレルギー鼻炎と春(スギ),初夏(ハンノキ,シラカンバ),夏(オオアワガエリ,カモガヤ)の花粉症があります.春のスギ花粉症が最も辛いですが,ダニ通年性アレルギー鼻炎があるため常に治療をしています.病型は鼻閉型なので,抗ロイコトリエン薬のシングレアと鼻噴霧ステロイドのアラミストを1年中使用しています.スギ花粉症の時期はくしゃみ,鼻水,目のかゆみが出現するため,第2世代抗ヒスタミン薬のニポラジンと抗ヒスタミン点眼薬のアレジオン点眼液を追加使用しています.

抗ヒスタミン薬,抗ロイコトリエン薬,鼻噴霧ステロイドなどを使用すれば,アレルギー性鼻炎の症状は軽快します.しかし,アレルギーが根本的に治るわけではありません.アレルギーを治すためにはアレルギー免疫療法が有効で,その1つが舌下免疫療法です.現在,日本には,ダニとスギ花粉に対する舌下免疫療法薬しかありません.一部の雑草に対する舌下免疫療法を既に実施している国もありますが,日本には導入されていません.私の場合,ダニやスギ花粉に対するアレルギーを舌下免疫療法によって克服しても,初夏と夏の花粉症が残ってしまいます.しかし,ダニ通年性アレルギー性鼻炎は1年中治療が必要ですし,スギ花粉症は症状が強く,これらを克服できれば生活の質が上がります.

既に,2014年10月より,鳥居薬品株式会社から「シダトレンスギ花粉舌下液」(以下,シダトレン)が販売されています.保険適応は,12歳以上です.2018年6月29日,鳥居薬品株式会社から「シダキュアスギ花粉舌下錠」(以下「シダキュア」が発売されました.保険適応は,原則として5歳以上です.シダキュア維持期の抗原量はシダトレンの2.5倍です.シダキュアはシダトレンより高い有効性が期待できます.シダトレンは液体のため冷蔵保存が必要でしたが,シダキュアは速溶性の舌下錠のため室温保存できます.1週目はシダキュアスギ花粉舌下錠2000JAU を1日1回1錠,投与2週目以降は同5000JAU を 1日1 回1錠,舌下で1 分間保持した後,飲み込みます.その後5分間は,うがいや飲食を控えます.

私は,今年4月から「ミティキュアダニ舌下錠」(以下,ミティキュア)を用いてダニアレルギーの治療をしています.服用開始後,初日と2日目は喉がイガイガして,かなり不快でした.服用後5分間以上経過してから水を飲みましたが,イガイガ感は約30分間続きました.しかし,3日目以後は特に何も感じませんでした.ミティキュアを開始して約4カ月が経過しましたが,以前に比べて鼻詰まりが軽快しているようです.

ミティキュアとシダキュアは同時に開始することはできませんが,服薬間隔が5分間以上あれば両者の併用は可能です.

私は7月初旬にシダキュアを用いてスギ花粉アレルギーの治療を開始しました.シダキュア2000JAUを服用した2日目に喉が少し痒かっただけで,同5000JAUに増量しても何も起こりませんでした.ミティキュアに比べると,シダキュアの方が副作用は軽微でした.来春にはスギ花粉症の症状が軽快してくれることを期待しています.

既に,当院では,ミティキュアを200人以上の患者さんに処方しています.約5%は,喉のイガイガがひどいために継続が不可能です.シダキュアは約40人に処方しましたが,現時点では全員が継続しています.シダキュアはミティキュアよりも副作用が少ないようです.

スギ花粉症を根本的に治したい場合には,当院にご相談ください.5歳以上12歳未満はシダキュアを,12歳以上はシダトレンまたはシダキュアを用いて治療します.抗原量や使い勝手を考えると,シダトレンよりもシダキュアの方がいいでしょう.ただし,シダキュアは新薬のため,2019年5月頃までは1回の受診について2週間分しか処方できません.ご注意ください.