アレルギー性鼻炎・結膜炎では,ダニ,ペット,ゴキブリなどの通年性アレルゲンのほかに,花粉,昆虫,真菌などの季節性アレルゲンが原因になることがあります.

主なアレルゲンの飛散時期は,樹木(スギ,ヒノキ,ハンノキ,シラカンバなど)は1-5月(ピークは3月),イネ科植物(ハルガヤ,カモガヤ,オオアワガエリ,ギョウギシバなど)は4-11月(同5-6月と10月の2峰性),真菌(アルテルナリア,アスペルギルス,クラドスポリウムなど)は4-11月(同6月と9-10月の2峰性),昆虫(ガ,ユスリカなど)は4-12月(同6月と10月の2峰性),雑草(ヨモギ,ブタクサ,カナムグラなど)は8-10月(同9月)です.

花粉症というと,春先の「スギ花粉症」が有名ですが,秋にも花粉症があります.秋の花粉症の原因抗原としては,以下がよく知られています.

ブタクサは,キク科の植物です.茎の高さが30-150cmで,道端,荒れ地,畑の周辺などに生えています.花粉飛散期は8-10月で,ピークは10月です.ブタクサによる花粉症はスギ,ヒノキに次いで3番目に多く,秋の花粉症の原因としては最多です.鼻炎症状に加え,喘息のような咳症状に注意が必要です.ブタクサ花粉はメロン,スイカ,キュウリなどのウリ科食物などと交差抗原性があり,口腔アレルギー症候群を起こすことがあります.オオブタクサも,キク科の植物です.ブタクサよりも大きく,茎の高さが2-4m にもなります.市街地,空き地,河川敷などの水辺に群生しています.花粉飛散期は8-9月です.オオブタクサの花粉産生量はブタクサより多く,葉の形がクワの葉に似ているためクワモドキとも呼ばれています.ブタクサは明治初期に,オオブタクサは第2次世界大戦後に日本に持ち込まれた帰化植物です.

ヨモギは,キク科の植物です.茎の高さが1mくらいで,繁殖力が強く,市街地,堤防,空き地,道端などに生えています.花粉飛散期は8-10月で,ピークは9月です.鼻炎症状に加え,喘息のような咳症状に注意が必要です.ヨモギ花粉はニンジンやセロリなどのセリ科食物などと交差抗原性があり,口腔アレルギー症候群に注意が必要です.ヨモギは,日本在来の植物です.春に若葉を採って草餅の材料にするため,モチグサとも呼ばれます.成長した葉の裏の毛を,「もぐさ」としてお灸に用います.絞り汁を切り傷につけるなど,民間薬として用いられていました.

カナムグラは,アサ科の植物です.道端,荒れ地,畑の周辺に生えています.つる状の茎が長く伸び,茎や葉柄にある小さな無数のトゲを利用して電柱やガードレールなどにからみついて生息しています.非常に繁殖力が強く,駆除をするのが大変です.花粉飛散期は9-10月で,ピークは9月です.鼻炎症状に加え,喘息のような咳症状に注意が必要です.カナムグラ花粉もウリ科食物などと交差抗原性があり,口腔アレルギー症候群に注意が必要です.カナムグラは,ビールの苦味付けに用いるホップと近縁の植物です.

スギ花粉の本格的飛散時期は,2-3月です.しかし,スギは秋にかけて花芽を作り,11月頃に休眠状態に入る前に若干の花粉を飛ばします.春に比べ飛散する量が僅かで期間も短いために敏感な人しか症状が出ませんが,スギ花粉症の人は注意が必要です.

私自身,ハウスダストとダニの通年性アレルギー性鼻炎に加え,春のスギ,夏のイネ科雑草の花粉症患者です.第2世代抗ヒスタミン薬,ロイコトリエン受容体拮抗薬を服用し,ステロイド点鼻液や抗ヒスタミン薬点眼液を適宜使用しています.秋の僅かなスギ花粉の飛散も感知してしまいます.

目がかゆい,目がゴロゴロする,くしゃみが止まらない,鼻汁がいつも出ている,鼻がムズムズする,鼻が詰まる,などの症状がある場合には,当院に是非ご相談ください.必要な検査をして,適切に治療します.