小児科の日常診療では,「口の中にブツブツができた.」という訴えにしばしば遭遇します.主な疾患は以下の通りです.

(1)アフタ性口内炎
歯肉,舌,頬粘膜に白いブツブツが1個から数個出現します.酸っぱいもの,塩辛いものなどは,痛くて食べることができません.触ると痛みを訴える場合もあります.口の中を清潔にして,刺激のある食べ物は避けましょう.うまく食事ができない場合には,脱水にならないように水分,塩分,糖分を十分に取りましょう.口内炎用の軟膏の塗布が有効です.

(2)口唇ヘルペス
唇(くちびる)に水ぶくれができます.最初は痒いような感じですが,やがて潰れて痛くなって来ます.体の中に潜んでいる単純疱疹ウイルスが,体調が低下した時,強い日差しに当たった後などに出現します.抗ウイルス剤が有効です.

(3)口腔カンジダ症
真菌の1種であるカンジダ菌が原因です.鵞口瘡(がこうそう)と呼ばれます.唇(くちびる)の内側,頬の裏側に白い幕のようなものが付着します.容易には取れませんが,ティッシュペーパーなどで拭うとその部分から出血します.抗真菌薬の口腔内塗布が有効です.

(4)ヘルパンギナ
コクサッキーウイルスやエコーウイルスにより起こる夏かぜの1種です.他の季節に流行することもあります.数日間の発熱とともに,喉の奥の粘膜に小さな円形の水疱が複数できます.喉の痛みが強く,うまく食べることができなくなります.塩辛いものや酸っぱいものは,特に喉にしみます.脱水にならないように,水分,塩分を十分に取りましょう.数日から1週間程度の経過で自然治癒します.

(5)貯留嚢胞(粘液嚢胞)
唇(くちびる)の内側の粘膜に水ぶくれができます.大豆くらいの大きさになることもあり,膨らんだりしぼんだりします.噛みつぶしたことによって唾液の出口が詰まってしまい,唾液が溜まったものです.症状が続く場合には,除去手術をすることがあります.

(6)歯肉膿瘍
虫歯付近の歯肉の一部が腫れて盛り上がって来ます.虫歯が進行して神経まで達すると歯髄炎になります.急な痛みの後に,神経は死んでしまいます.さらに進行すると膿が歯の根の付近に溜まり,最終的には歯肉を突き破ってあふれ出て来ます.治療としては歯根部の治療あるいは抜歯が必要になります.

お子さんの口の中にブツブツができたら,当院を受診してください.(1)(2)(3)(4)は当院で治療します.(5)(6)は必要に応じて適切な医療機関を紹介します.