モビコール配合内用剤は,慢性便秘症の治療薬です.欧州を中心に既に37ヵ国で承認されています.モビコールは,ポリエチレングリコールおよび電解質を配合した製剤です.ポリエチレングリコールの浸透圧効果により,腸管内の水分量を増加させ,便中水分量の増加および便容積の増大をもたらします.その結果,排便を促進します.

欧米諸国のガイドラインでは,小児および成人の便秘症に対してポリエチレングリコール製剤を用いることが推奨されています.第1選択薬としての使用が推奨されているガイドラインもあります.

日本では,小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン(2013年)および慢性便秘症診療ガイドライン(2017年)に,治療薬としてポリエチレングリコール製剤が記載されています.しかし,慢性便秘症に対する保険適応はなく,開発が期待されていました.このような状況下,日本小児栄養消化器肝臓学会より,小児の慢性便秘症に対してポリエチレングリコール製剤が使用できるように「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」に要望が出されていました.

2015年4月,同会議でポリエチレングリコール製剤が便秘症の治療薬として「医療上の必要性が高い医薬品」として評価されました.2018年9月に慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)の治療薬として製造販売承認を取得し,年内には持田製薬より「モビコール配合内用剤」(以下,モビコール)として販売が開始される予定です.

モビコールの用法.用量および使用上の注意点は以下の通りです.
・本剤は,水で溶解して経口投与します.
・通常,2歳以上7歳未満の幼児には初回用量として1回1包を1日1回経口投与します.以降,症状に応じて適宜増減し,1日1-3回経口投与,最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)です.ただし,増量は2日以上の間隔をあけて行い,増量幅は1日量として1包までです.
・通常,7歳以上12歳未満の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与します.以降,症状に応じて適宜増減し,1日1-3回経口投与,最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)です.ただし,増量は2日以上の間隔をあけて行い,増量幅は1日量として1包までです.
・通常,成人及び12歳以上の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与します.以降,症状に応じて適宜増,1日1-3回経口投与,最大投与量は1日量として6包まで(1回量として4包まで)です.ただし,増量は2日以上の間隔をあけて行い,増量幅は1日量として2包までです.
・本剤投与中は腹痛や下痢が出現することがあります.症状に応じて減量,休薬または中止を考慮します.

現在,小児の慢性便秘症の治療薬としては,ラクツロース(商品名:モニラック,ピアーレなど),酸化マグネシウムなどが用いられています.モビコール発売後は,治療の選択肢が増えます.既存の薬剤で効果が不十分な場合には,モビコールへの切り替えを考慮してもよいでしょう.

便秘でお困りの方は当院にご相談ください.適切に治療します.