日本気象協会は,2018年12月12日に「2019年春の花粉飛散予測(第2報)」を発表しました.北海道はシラカンバ花粉,本州以南はスギ・ヒノキ花粉についての予測です.

<2018年夏の気象>
スギ花粉の飛散数には,前年夏(6-8月)の気象条件が大きく影響します.気温が高く,日照時間が多く,雨の少ない夏は花芽が多く形成され,翌春の花粉の飛散数が多くなります.花芽は夏の早い段階で育つため,とくに6-7月の気象条件が重要です.2018年の夏は,記録的な猛暑でした.夏(6-8月)の平均気温は,東日本(関東甲信,東海,北陸)では平年比+1.7℃,西日本では平年比+1.1℃で,1946年の統計開始以降それぞれ第1位,第2位でした.北日本日本海側は梅雨前線と秋雨前線の,西日本太平洋側および沖縄・奄美は台風と梅雨前線の影響で,記録的な大雨の日があり,降水量がかなり多かったです.沖縄・奄美の夏の降水量は,1946年の統計開始以降で最多でした.また,各地で豪雨が発生しました.

<例年(2009-2018年の平均値)との比較>
2019年春の花粉飛散量は,例年に比べ,北海道(60%)では少なく,四国(100%)では例年並み,東北(120%),関東甲信(110%),北陸(140%),東海(110%),近畿(110%),九州(130%)ではやや多く,中国(160%)では多くなる見込みです.

<前シーズンとの比較>
2019年春の花粉飛散量は,前シーズンに比べ,北海道(50%),関東甲信(60%),東海(60%)では少なく,東北(70%)ではやや少なく,近畿(100%),中国(90%),四国(90%),九州(100%)では前シーズン並み,北陸(140%)ではやや多くなる見込みです.前シーズンは,全国的に例年よりもかなり多くの花粉が飛散しました.このため,2019年春は前シーズンに比べると,花粉飛散量が少ない地域が多くなっています.

<花粉飛散開始時期>
2019年春のスギ花粉の飛散開始は,近畿,中国,四国,九州で例年より5日ほど遅くなるでしょう.2月中旬に,九州や四国,東海,関東地方の一部から花粉シーズンが始まる見込みです.

2019年の1-2月は,気温が北日本ではほぼ平年並み,東日本は平年並みやや高く,西日本では平年より高くなる予想です.冬に気温が高めで経過する見込みのため,スギの雄花の休眠打破が遅れ2019年春のスギ花粉の飛散開始は,東日本と西日本では例年より遅くなるでしょう.

スギ花粉は飛散開始と認められる日の前から僅かな量が飛び始めます.2月中旬に飛散開始が予測される地域では,1月のうちから花粉対策を始めるとよいでしょう.

<新潟県における予測>
新潟県も2018年夏は,猛暑でした.2019年春の花粉飛散量は例年および前シーズンよりやや多くなると予測されています.飛散開始は3月1日頃と予測されています.

「鼻アレルギー診療ガイドライン2016年版」では,強い花粉症症状を示す場合には”初期療法“が推奨されています.第2世代抗ヒスタミン薬,抗ロイコトリエン薬,鼻噴霧用ステロイド薬は花粉飛散予測日または少しでも症状が現れた時点で開始し,その他の薬剤では飛散予測日の1週間前をめどに治療を開始します.新潟県では飛散開始が3月1日頃なので,2月11日の建国記念日を目安に治療を始めるか手元に薬剤を用意しておいた方がよいでしょう.

私自身,重症のスギ花粉症患者です.第2世代抗ヒスタミン薬,抗ロイコトリエン薬,鼻噴霧用ステロイド薬,点眼用抗ヒスタミン薬がないと,スギ花粉が飛散する2-4月は満足に日常生活を送ることができません.スギ花粉症の患者さんの気持ちがよく分かります.自身の経験をもとに,適切な治療薬を処方します.スギ花粉症の方は小児だけでなく成人の方も是非当院にご相談ください.