2019年1月中旬以後,当院周辺ではA型インフルエンザが流行中です.今シーズンは患者数が多く,例年に比べ大きな流行になる可能性があります.

インフルエンザの診療についての注意点は以下の通りです.

<マスク,手洗い,うがい>
当院を受診する場合には,必ずマスクをしてください.受診後,帰宅をしたら直ちに手洗いとうがいをしてください.

<迅速検査>
インフルエンザの迅速検査には保険診療上の制約があります.1エピソードについて48時間以内に2回までしか検査が認められていません.最終検査から1週間は再検査ができません.無熱時(37.5℃未満)の検査は健康診断と同じ扱いなので,保険診療の対象外です.

インフルエンザ迅速診断キットは,ウイルス量が少ないと陽性を示しません.学校,保育所で熱が出てあわてて受診するお子さんが数多くいますが,こうした場合にはたとえ真にインフルエンザであっても検査上陽性を示すことは少ないです.発熱後,最低でも6-7時間以上,一般的には12時間程度経過しないと陽性になりません.37℃台の微熱では,陽性を示すことはまれです.抗インフルエンザ薬には有熱期間の短縮効果しか証明されていません.数時間早く服薬しても,生命予後を劇的に改善するあるいは合併症を大幅に軽減するということはありません.

1エピソードで3回以上,最終検査から1週間以内の検査をご希望の場合には,診察費用も含めて全て保険診療外=自費になります.検査が陽性の場合には,同日の投薬も自費になります.

無制限に検査できません.十分ご注意ください.

<出席停止期間>
インフルエンザに罹患した場合の出席停止期間は,「発症した後5日を経過し,かつ,解熱をした後2日(幼児にあっては,3日)を経過するまで」,です.

日数の算定は,以下の通りです.
(1)発症の取り扱い:「発熱」のみを発症とします.発熱以外の症状,例えば関節痛などは含みません.
(2)発症日の取り扱い:医師の診断日にかかわらず,発症した日(発熱が始まった日)を基準にします.
(3)日数の取り扱い:発症した翌日から起算します.発症した日(発熱が始まった日)は含まず,その翌日を第1日とします.解熱も同様です.解熱をした日は含まず,その翌日を第1日とします.

インフルエンザウイルスがヒトに感染すると(0日目),概ね2日目に発熱とともに発症します.さらに5日を経過した後(すなわち感染してから7日間経過した後)になると,ウイルスがほとんど検出されなくなります.抗インフルエンザ薬の投与,非投与,薬剤の種類,ウイルスの型によってウイルス減量の速度に差はあるものの,発症(=発熱)した後5日を経過したところで体外へのウイルス排泄がほぼなくなると報告されています.乳幼児では児童生徒に比べてウイルス排泄が長く続きます.これらの報告を踏まえ,インフルエンザの出席停止期間は前日した通りになっています.

<登校許可証>
発熱した日,解熱した日,年齢によって登校許可日が決まります.再診時には,登校許可証とともに熱型表を必ず記入して提出してください.発熱した日,解熱した日が分からないと,登校許可証を書くことができません.

2019年1月23日の報道によれば,長野県ではインフルエンザ脳症で小学校4年生の男児が死亡したそうです.インフルエンザは合併症の多い病気です.毎年,10-11月にはインフルエンザワクチンを接種しておくことを強くお勧めします.手洗い,うがいを励行し,人混みを避け,睡眠と栄養を十分に取りましょう.