今年も,また,スギ花粉症の季節がやって来ます.新潟県におけるスギ花粉の本格的飛散開始は,3月1日頃と予測されています.実際には少量のスギ花粉はそれ以前から飛散しており,敏感な方は鼻のムズムズ,眼の痒みを訴えて既に来院しています.私自身がかなり敏感なスギ花粉症患者なので,1月中旬から数回は眼が痒く,「あ,もう飛んでいるなあ.」と鬱陶しい気持ちになっています.

スギ花粉症の治療には,くしゃみや鼻汁に対しては第2世代抗ヒスタミン薬,鼻詰まりには抗ロイコトリエン薬の内服薬を用います.鼻症状がある場合には鼻噴霧ステロイド薬,眼症状がある場合には抗ヒスタミン点眼薬を使用します.

アレルギー性疾患の予防,治療では,抗原回避や除去が基本です.スギ花粉症に限らずアレルギー性結膜炎の予防では,セルフケアとして洗眼が有用です.

「アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン(第2版)」では人工涙液による洗眼が推奨されていて,「眼表面に飛入した抗原を洗い流すためには,人工涙液による洗眼が有用と考えられている.洗眼する場合は,目の表面から異物を洗い流すことを目的としているため,洗い流すように1回数滴,できるだけ頻回に点眼することが望ましい.通常の人工涙液には防腐剤が含有されているため,4回以上,点眼する場合,安全性の点から,防腐剤無添加人工涙液が薦められる.水道水は、涙液層の安定性を低下させるため,頻回に洗眼することは避ける.」と記載されています.

2018年12月3日,参天製薬から点眼型洗眼液「ウェルウォッシュアイ」が発売になりました.一般用医薬品として,薬局で購入できます.

ウェルウォッシュアイの効能・効果は,目の洗浄,眼病予防です.1回4-6滴,1日3-6回点眼することにより,花粉,PM2.5,黄砂,まつ毛,ほこり,ハウスダスト,砂,虫などを除去することができます.スギ花粉のシーズン,PM2.5や黄砂が多い日,屋外でのスポーツで砂ボコリが目に入った時,掃除や衣替えでホコリが立つ時, プールで泳いだ後などに使用します.

ウェルウォッシュアイの角膜細胞に及ぼす影響は,生理食塩液や既に発売されている人工涙液「ソフトサンティア(参天製薬)」とほぼ同程度です.安全性に問題はありません.また,ウェルウォッシュアイにはソフトサンティアと同様に防腐剤(ベンザルコニウム塩化物、パラベン)が配合されておらず,連用しても問題はありません.

スギ花粉は硬い外壁に覆われています.涙液に接することで外壁が破裂をして,cry j1 cry j2などのスギ花粉抗原が溶出します.この現象を,「ハッチアウト」と呼びます.ウェルウォッシュアイはソフトサンティア,ヒト涙液,ウサギ涙液に比べてスギ花粉のハッチアウトが少ない.という実験結果が得られています.

ウェルウォッシュアイは手軽に持ち歩けて,使い方も簡単です.その時,その場で洗眼できる利便性があります.

使用上の注意点は以下の通りです.
(1)あふれた液を吸い取るために,事前に清潔なティッシュなどを準備してください.
(2)清潔な手で下まぶたを引っ張り,洗い流すように点眼します.容器の先がまぶたやまつ毛,目に触れないようにしてください.目脂(めやに)や雑菌などが混入しないように注意してください.薬液が汚染されて混濁した場合には,使用しないでください.
(3)コンタクトレンズを装着したまま使用しないでください.
(4)抗菌薬や抗ヒスタミン薬などの点眼薬と併用する場合には,先に洗眼をしてください.

2-3週間後にはスギ花粉の本格的飛散が開始します.治療薬の使用とともに,人工涙液による洗眼をして,花粉症のシーズンを乗り切りましょう.