2019年2-3月,当院には掌(手のひら)や足が赤くなり,やや腫れぼったくなって受診するお子さんが数名います.俗に「砂かぶれ様皮膚炎」と呼ばれる病気です.

砂かぶれ様皮膚炎の正式名称は,「小児掌蹠丘疹性紅斑性皮膚炎」です.比較的よく診られる疾患ですが,病名が長くて覚えにくい上に,広く知られていません.また,症状や病態について統一的な見解が必ずしも示されているわけではありません.

砂かぶれ様皮膚炎は,1歳の発症が最多で,患児の87%が4歳以下です.男女比は3:4で,やや女児に多い傾向を示します.通年で患者発生がありますが,春に多く,5-6月にピークがあります.掌(=手のひら)に非常に細かな丘疹(=皮膚の隆起)が生じます.丘疹は癒合拡大し,掌が真っ赤になります.その後,手全体が浮腫状になり(=むくむ),やがて落屑が見られます(=皮膚の表層が大小の角質片として剥げ落ちる).手と同時にあるいはやや遅れて足にも同様の症状が起こります.肘,膝,頬にも,丘疹や紅斑が出現することがあります.痒みがあり,治癒までに2-4週間かかります.約20%に発熱を伴います.ステロイド外用薬は有効ではありません.はっきりした原因は特定されていませんが,EBウイルスの初感染が血液検査で認められる場合があります.

鑑別診断としては,Gianotti症候群,溶連菌感染症,コクサッキーウイルスA6による手足口病,papular purpuric gloves and socks syndromeなどが挙げられます.砂かぶれ様皮膚炎の非典型例では,これらの疾患との鑑別が難しく,診断に苦慮することがあります.

砂かぶれ様皮膚炎は,ウイルス感染による可能性が高く,全身症状はほとんど伴わず,ステロイド外用剤を塗布しても直ぐにはよくならず,1カ月くらいで皮膚がカサカサになり自然治癒する疾患です.発疹が出現すると心配になりがちですが,気長に治癒を待ちましょう.