2019年2月24 日より,新潟県でもスギ花粉の本格的飛散が始まっています.既に多くの方が,お薬の処方を受けに来院しています.スギ花粉症の症状は,くしゃみ,鼻汁,鼻閉,眼のかゆみなどです.このほかに,眼瞼炎がみられる場合があります.主なものは以下の通りです.

1.スギ花粉皮膚炎
スギ花粉が原因で生じる蕁麻疹様の浮腫性紅斑です.眼瞼部,頬骨部,頸部などに出現します.痒みを伴います.

2.スギ花粉接触皮膚炎症候群
スギ花粉の飛散期に,眼瞼皮膚に生じる接触皮膚炎(=かぶれ)です.濾胞性結膜炎を合併することがあります.普段は大丈夫でも,スギ花粉飛散期だけ症状が出現します.アレルギー性結膜炎治療薬のザジテン点眼液やエリックス点眼液,緑内障治療薬のピバレフリン,市販の洗眼液のアルガードやリセなどの使用を契機として発症します.これらの薬剤の中止により軽快します.

3.アトピー性皮膚炎の悪化
アトピー性皮膚炎患者の約30%は,スギ花粉飛散期に眼瞼炎や眼の周りの皮膚炎を起こします.スギ花粉による感作で1型アレルギーが成立し,眼瞼や目の周りの皮膚が痒くなり,発赤や腫脹を生じます.掻くことで炎症がさらに増強され,皮膚が厚くなってただれてしまいます.2-4月に多く,上眼瞼が34%,下眼瞼が19%,上眼瞼+下眼瞼が47%です.ドライスキンだけでアトピー性皮膚炎がない場合にも,眼瞼炎が出現,悪化することがあります.アトピー性皮膚炎がある場合には,眼瞼炎の出現頻度に男女差はありません.一方,アトピー性皮膚炎がなく眼瞼炎のみの場合,多くは女性です.その理由は,化粧品や化粧落としを使用するために眼瞼や眼の周りの皮膚のバリア機能が破壊されているからです.くしゃみ,鼻汁,鼻閉などの典型的なスギ花粉症の症状に乏しいことから,スギ花粉が原因であることに気付かない場合があります.対策としては,からだや衣服に付着したスギ花粉を取り除くことです.特に,髪に付着したスギ花粉をよく洗い流すことが重要です.眼瞼炎の治療にはステロイド外用薬やプロトピック軟膏を用いますが,プロトピック軟膏は再発率が低くより有効です.抗ヒスタミン薬の内服も有効です.

スギ花粉の飛散期に眼瞼が赤く腫れ,痒みがある場合には,当院にご相談ください.適切に治療します.