当院では,各種疾患に漢方薬を処方しています.インフルエンザをはじめとする急性熱性疾患には麻黄湯や葛根湯,気管支炎や喘息などの乾いた咳には麦門冬湯,湿った咳には麻杏甘石湯,感冒などの回復期には柴胡桂枝湯や人参養栄湯,反復性中耳炎や肛門周囲膿瘍には十全大補湯,便秘には小建中湯や大建中湯,急性胃腸炎の嘔気には五苓散,夜泣きには抑肝散や甘麦大棗湯,アトピー性皮膚炎には消風散や十味敗毒湯などを使用しています.

小児に対する漢方薬の処方量は,年齢を目安にした場合には2歳未満では成人量の4分の1以下,2-3歳では3分の1,4-6歳では2分の1,7-14歳では3分の2,15歳以上では成人と同量です.体重を目安にした場合,成人の1日量が7.5gの製剤では,体重1kgあたり0.15gを1日量として処方します.なお,年齢,体重,症状などにより適宜増減します.

漢方薬は飲みにくいというイメージがありますが,必ずしもそうではありません.小建中湯などの麦芽糖を多く含む製剤は甘いので,乳幼児でもそのまま服用できます.まず,通常のように,水または白湯(さゆ)で飲ませてみてください.独特の風味や苦味のために服用を嫌がる場合には,以下のように工夫してみてください.

乳児(1歳未満)
(1)白湯(さゆ)に溶いて,スプーンやスポイトで飲ませる.
(2)水や白湯(さゆ)を少し加えてよく練り,頬や上あごの内側に塗る.
(3)服薬補助ゼリーやシロップ(甘味)を使う.
(4)1度に服用できない場合には,4-5回に分けて飲ませる.
(注意)ハチミツは乳児には与えてはいけません.乳児ボツリヌス症の危険があります.

幼児・学童以上
(1)服薬補助ゼリーを使う.オブラートに包む.
(2)ジュース,ゼリー,ヨーグルトに混ぜる(薬の働きに影響を与えることがあるためジュースなどに混ぜることは推奨されていませんが,服用を優先させる対応も必要です.ヨーグルトの酸味や乳脂肪分には,味を感じさせにくくする効果があります.)

上記のような工夫をしてもうまく飲ませられない場合には,以下を試してみてください.漢方薬の苦味は,元々苦味のある食品で消すのがポイントです.

(1)チョコレートのクリームやペーストと混ぜてスプーンで食べさせる.1回分をスプーンに載せたまま冷蔵庫で冷やすと,さらに味が分からなくなる.
(2)漢方薬1包+水20cc+市販のミルコココアスティック1本をカップに入れて混ぜて,電子レンジで20-40秒温める.牛乳を20cc加えて,これを再びレンジで10秒ほど温める.適当な温度に調整して飲ませる.

漢方薬をご希望の場合には,当院にご相談ください.適切に処方します.