夏は紫外線量が増えるため,日焼けをしやすくなります.過度な日焼けはDNAを損傷し,皮膚ガンを誘発します.皮膚ガンの発生は成人期以降ですが,生涯にわたり健やかな肌を保つためには乳幼児期から紫外線対策を心掛ける必要があります.紫外線対策は,決して美容目的だけではありません.2015年9月に,「保育所・幼稚園での集団生活における紫外線対策に関する日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会の統一見解」が出されています.学校向けの統一見解も出されています.主な内容は以下の通りです.

http://jspd.umin.jp/qa/03_uv.html


1.屋外活動

(1)時間を工夫する:紫外線は,早朝や夕方は非常に弱く,10時から14時の間に強くなります.屋外活動はなるべく紫外線の弱い時間帯に行い,強い時間帯には紫外線対策をきちんと行いましょう.紫外線は4月から9月にかけて強くなります.一方,皮膚は夏から秋にかけて色素が増えて角層が厚くなるので,春の方が秋よりも紫外線に対する抵抗力が弱くなります.長時間にわたって屋外活動をする場合には,時間帯や季節を考慮しましょう.気象庁が情報提供をしているUVインデックスは,紫外線の強さを指標化したものです.参考にしてください.
(2)場所を工夫する:日陰の紫外線量は日向の約50%です.テントやパラソル,よしず等を積極的に利用しましょう.曇りでも晴天の約80%の紫外線が出ているので,対策が必要です.
(3)帽子,服で覆う:帽子のつばが7センチあれば,約 60%の紫外線をカットできます.半袖よりも七分袖や襟付きのような服のほうが,紫外線から肌を守ることができます.生地の色は濃い色のほうが紫外線を吸収します.しかし,熱中症を防ぐためには,白か淡い色のもので,織目や編目がしっかりした木綿またはポリエステル・木綿の混紡素材が良いでしょう.
(4)サンスクリーン剤を上手に使う:たっぷりと均一に塗らないと期待通りの効果が得られません.耳介,首,胸元,背中,腕や手背なども,塗り忘れや塗りむらがないようにしてください.時間とともに効力が弱くなります.また,汗で流れることもあるので,2,3時間ごとに塗り直しをしてください.

2.水遊び
肌が露出し,紫外線の影響を最も受け易いので,紫外線対策が必要です.
(1)時間を工夫する:紫外線の強い時間はなるべく避けましょう.
(2)場所を工夫する:室内プールを利用する,プールの上に天幕を張るなどして紫外線を防ぐのが理想です.プールサイドにテントを用意すれば,泳がない時に紫外線から肌を守ることができます.
(3)服で覆う:ラッシュガード(=紫外線防御や擦り傷から肌を守ることを目的とした衣類)を水泳時に着用する,プールサイドでは体操着を着用すると紫外線防御に役立ちます.
(4)サンスクリーン剤を上手に使う:サンスクリーン剤によるプールの水質汚濁が懸念されていますが,耐水性サンスクリーン剤を使用すれば汚濁されないことが複数の研究により明らかになっています.塗る時間は午前中であれば朝に自宅で,午後であれば昼休みに塗ると良いでしょう.

3.子どもが使うのに適したサンスクリーン剤
集団生活で用いるのに適したサンスクリーン剤は,以下の条件を満たすものです.
(1)「SPF15以上」,「PA ++ 〜 +++」を目安に選んでください.むやみにSPF値の高いものを使う必要はありません.
(2)「無香料」および「無着色」の表示があるもの.
(3)プールでは「耐水性」または「ウォータープルーフ」の表示があるもの.

*紫外線に短時間当っただけで皮膚が真っ赤になり黒くならない(=色素沈着が起こらない)タイプのお子さんは,紫外線対策が特に必要です.
*紫外線は決して怖いものではありません.過剰な紫外線防御はお子さんの成長を妨げることがあります.上手に紫外線対策を行って下さい.