アトピー性皮膚炎は早目に治療開始をしよう!

アトピー性皮膚炎では,皮膚バリア機能が低下しています.皮膚を介して外界からさまざまな抗原が体内に侵入し,アレルギーを獲得してしまいます.これを「経皮感作」と呼びます.皮膚を荒れたままにしておくと,食物アレルギー,アレルギー性鼻炎,気管支喘息などの発症リスクが高くなります.アトピー性皮膚炎は早目に治療を開始することが大切です.生後4カ月前に治療を開始した方が,幼児期以後の治りが良くなります.

アトピー性皮膚炎をあっという間に治すことは不可能です.辛抱強く上手に付き合うことで,少しでも皮膚を正常に近付けて,かゆみを減らしましょう.外用薬,内服薬などの薬物療法だけでなく,環境整備,スキンケア,掻爬防止も重要です.

(1)外用薬

炎症を抑えるためにステロイド外用薬やプロトピック軟膏,乾燥を防ぐために保湿剤を上手に使いましょう.

(2)内服薬

非鎮静性の抗ヒスタミン薬を使用します.内服薬を服用することで,かゆみを減らし,掻く回数を減らすことで皮膚の荒れを防ぎます.さらに,体内や皮膚でのアレルギー反応を抑制することができます.

(注)鎮静性抗ヒスタミン薬は,痙攣誘発,眠気などの副作用があるため使用してはいけません.

漢方薬も付加的治療として効果があります.消風散,補中益気湯などが有効です.体力,体質,炎症の程度により使い分けます.

(3)環境整備

アトピー性皮膚炎はアレルギー反応により起こります.身のまわりのアレルゲン(=アレルギーを引き起こす物質)を減らすことで,症状を軽くすることができます.家の中のハウスダスト,ダニ,カビなどを減らす努力をしましょう.

(4)スキンケア

皮膚は外界からのさまざまな刺激によって,とかく荒れがちです.皮膚の汚れを落とし,強い刺激を避け,保湿剤をまめに塗りましょう.保湿剤は皮膚症状がよくなっても塗り続けましょう.保湿剤を塗らないとすぐに皮膚が荒れてしまいます.皮膚の細菌感染はアトピー性皮膚炎を悪化させます.十分に注意しましょう.

(5)掻爬防止

爪をまめに切る,衣服は綿にする,掻爬防止手袋(ミトン)を使用する,皮膚にあたる頭髪は切るか束ねる,などの方法があります.

自己流,よけいなお世話は失敗のもと!!

よくなったので塗るのをやめた,悪くなったので市販のくすりを使った,毎日くすりを使うのがよくないと思って減らした,など自分の判断で治療を変えるのは失敗のもとです.また,親切な?人が,あれがいい,これがいいと教えてくれると,ついフラッとなりがちですが,効果はありません.特に,脱ステロイド療法は危険です.生命にかかわることがあります.アトピービジネスにはくれぐれもはまらないように気をつけて下さい.

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