小児のアレルギー性鼻炎の特徴

小児におけるアレルギー性鼻炎の発症は低年齢化しています.アレルギー性鼻炎の患者数は男児の方が女児よりも多いですが,思春期になるとほぼ同数になります.この傾向は気管支喘息と同じです.

アレルギー性鼻炎は幼児期からみられますが,アトピー性皮膚炎が先行することが多いです.小児気管支喘息の8割にアレルギー性鼻炎を,小児アレルギー性鼻炎の5割に気管支喘息を合併します.アトピー性皮膚炎や気管支喘息は成長とともに軽快または治癒する傾向を示しますが,アレルギー性鼻炎の治癒率は低く成人期に持ち越すことが多いです.

アレルギー患児は扁桃やアデノイドが肥大傾向にあるため,アレルギー性鼻炎のコントロールが不良で鼻粘膜が腫脹すると容易に滲出性中耳炎や慢性副鼻腔炎を併発します.

症状

さらさらの鼻がだらだら垂れて止まらない,鼻がムズムズする,くしゃみを頻繁にする,鼻がつまって苦しい(鼻閉)などが主症状です.

小児のアレルギー性鼻炎では,鼻の痒みのために,外鼻を上下にこすり(鼻いじり),鼻出血を起こします.鼻尖部に横に走る「すじ」が観察され,目のまわりに黒い「くま」がみられるのが特徴です.

原因

小児のアレルギー性鼻炎の原因抗原はダニやハウスダストが多く,このため通年性アレルギー性鼻炎が多い傾向にあります.このほか,ペットやカビの1種のアルテルナリアが原因になることがあります.

従来,小児では花粉症は少ないと言われて来ましたが,近年はスギをはじめとする花粉症が増加傾向にあり,とくにスギは幼児期あるいは学童期に既に感作されている場合があります.花粉症の原因は,年長児では成人と同様で,春は樹木花粉(スギ,ヒノキなど),夏はイネ科(カモガヤ,オオアワガエリなど),秋はキク科(ブタクサ,ヨモギなど)とクワ科(カナムグラ)の雑草の花粉です.

治療

小児のアレルギー性鼻炎の治療は成人とほぼ同様です.

  1. 内服薬
    (1)第2世代抗ヒスタミン剤:主に鼻みず,くしゃみに効果があります.
    (2)ロイコトリエン受容体拮抗薬;主に鼻閉に効果があります.
  2. 外用薬
    (1)鼻噴霧用ステロイド薬:鼻粘膜の炎症を抑えます.
    (2)点鼻用血管収縮薬:鼻閉に効果があります.1週間程度が限度で,それ以上の連用はできません. 2歳未満のお子さんへの使用は禁忌です.ご注意ください.

アトピー性皮膚炎や気管支喘息を合併しているお子さんが多いため,これらの疾患の治療薬と重なることが多いです.