通年性アレルゲンと季節性アレルゲン

アレルギ−性鼻炎・結膜炎,気管支喘息などは,ダニ,ペット,ゴキブリなどの通年性アレルゲンのほかに,花粉,昆虫,真菌などの季節性アレルゲンが原因になることがあります.

季節性アレルゲンとは?

主なアレルゲンの飛散時期は,樹木(スギ,ヒノキ,ハンノキ,シラカンバなど)は1-5月(ピークは3月),イネ科植物(ハルガヤ,カモガヤ,オオアワガエリ,ギョウギシバなど)は4-11月(同5-6月と10月の2峰性),真菌(アルテルナリア,アスペルギルス,クラドスポリウムなど)は4-11月(同6月と9-10月の2峰性),昆虫(ガ,ユスリカなど)は4-12月(同6月と10月の2峰性),雑草(ブタクサ,ヨモギ,クワモドキなど)は8-10月(同9月)です.

スギ花粉

スギ花粉の飛散は2月初旬から始まり,3月にピークを迎えます.スギ花粉症の人は2月から3月にかけて,鼻がジュルジュル,眼がウルウルします.

ヒノキ花粉

ヒノキ花粉の飛散は3月中旬から始まり,4月上旬にピークを迎え,5月上旬まで続きます.人工林面積はスギが45%,ヒノキが23%,で,ヒノキはスギに次いで第2位です.ヒノキは福島県から鹿児島県まで広く分布していますが,北陸地方には少ないです.

スギ花粉とヒノキ花粉には交叉抗原性があり,スギ花粉症患者の60%はヒノキ花粉にも反応します.一般的にはスギ花粉の多い年は,ヒノキ花粉の飛散量も多くなります.

その他の樹木花粉

春から初夏には,スギやヒノキのほかに,ハンノキ,シラカンバなどの樹木花粉も飛散します.

イネ科植物の花粉

イネ科植物の多くは夏に開花します.とくにカモガヤ,オオアワガエリ,ギョウギシバなどは夏の重要なアレルゲンです.

カモガヤは牧草として広く栽培され,土留めとして高速道路沿いに植えられています.
オオアワガエリは牧草として広く栽培されているほか,道端や川べりに自生しています.
ギョウギシバは日当たりのよい道端,荒れ地,堤,海岸などに群生しています.

イネ科花粉はアレルギ−性鼻炎・結膜炎だけでなく,一部の患者では気管支喘息の原因になります.イネ科花粉感作症例はスギ,ヒノキに次いで多いと報告されています.イネ科植物は種類,数が多いため,花粉の飛散期間が長くなります.

キク科,クワ科雑草の花粉

キク科雑草のブタクサ,ヨモギなど,クワ科雑草のカナムグラの花粉は秋に飛散します.

真菌

屋内空中の総真菌数は,6月の梅雨期と9-10月にピークとなる2峰性を示します.主なものは,クラドスポリウム(クロカビ),アルテルナリア(ススカビ),アスペルギルス(コウジカビ)です.クラドスポリウムは浴室,洗面所,トイレ,台所,居間,押入,靴箱,空中などに,アルテルナリアは浴室,洗面所,トイレ,台所,空中,エアコンフィルターなどに,アスペルギルスは居間,押入,靴箱,空中,ジュータン,タタミ,エアコンフィルター,ハウスダスト,書籍などに分布しています.真菌は喘息の原因にもなります.アルテルナリアはアレルギ−性鼻炎の原因として特に重要です.

真菌対策としては,室内の換気により空気がよどまないようにしてカビ胞子の壁面や床面への沈着を防ぐこと,室内の水分発生源を出来るだけ減らし湿度を高めないこと,室内のペット,観葉植物,食物などカビの発生源となるものを少なくすることが有効です.

昆虫

屋内で発生する蛾には,メイガとイガ(衣蛾)があります.メイガは穀類,乾燥果実,お菓子やペットフードなどに発生する食品害虫です.イガはウールなどの動物性繊維を使用した衣類や布団に発生する衣類害虫です.幼虫のフン,成虫の鱗粉や死骸がアレルゲンになります.屋外では,蛾は樹木などの植物に発生し,光に誘引されます.成虫の鱗粉や死骸がアレルゲンになります.蛾のアレルゲン量は春から秋にかけて多く,特に秋に増加します.

ユスリカは,湖沼や河川,用水路などの水域で増殖します.蚊に似ていますが吸血せず,光に誘引されます.細かい塵となった死骸がアレルゲンになります.春,初夏,秋に集中して発生します.