多形滲出性紅斑とは?

多形滲出性紅斑は,何らかの原因により,免疫アレルギー的機序で皮膚に毛細血管炎が起こり,特徴的な皮疹を呈する一連の症候群です.
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原因と病態

原因は多くの場合特定できませんが,単純ヘルペスウイルス,マイコプラズマ,薬剤が3大原因抗原と言われています.このほか,EBウイルスや溶連菌などの病原体,昆虫毒素,植物,食物抗原,化学物質などが原因になることがあります.

これらの原因物質がきっかけになり,遺伝学的素因や環境要因(ストレス,寒冷刺激,紫外線など)などが加味され,免疫アレルギー機序により組織障害が起こり,皮膚に毛細血管炎が生じ,特徴的な輪状紅斑が発生し,皮膚病変の同心円状拡大・融合と消退を繰り返すことにより,さまざまな形の紅斑になります.

症状と検査所見

多形滲出性紅斑は,軽症型と重症型に2大別されます.

軽症型では,特別な前駆症状もなく,主に四肢伸側に対称性に小紅斑が生じ,遠心性に拡大して輪状の紅斑になります.境界は明瞭で,辺縁はわずかに隆起し,中央部は退色して淡い色彩を呈します.新旧の皮疹は拡大・融合して多形性を示します.

重症型では,このような皮疹が躯幹や粘膜にも広範に発生し,発熱,頭痛,倦怠感,関節痛などの高度な全身症状を伴います.

検査所見としては,白血球増多,CRP陽性などがみられる場合があります.

治療

治療は,原因の除去(感染症の治療や原因と思われる薬剤の中止)を行います.軽症型では抗ヒスタミン剤や非ステロイド抗炎症剤の内服やステロイド外用剤で,2-4週程度で治癒します.重症型ではステロイドの全身投与が必要となる場合が多いですが,通常その反応性は良好です.

合併症

合併症としては,重症型でごくまれに急激な多臓器不全や角膜潰瘍を生じることがあります.

予後

多形滲出性紅斑は活動期には重症感がありますが,一般に予後は良好です.通常数週間で治癒します.しばしば再発が認められることがあります.再発時も治療によく反応します.