おたふくかぜ(流行性耳下腺炎,ムンプス)に自然感染したとき

●おたふくかぜは,ウイルスによって起こる病気です.耳下腺,顎下腺の腫れと発熱が主な症状で,2-9歳の頃にかかることが多く,3-4歳が最多です.潜伏期間は2-3週間で,耳下腺が腫れる7日前から9日後くらいの間は,人にうつす可能性があります.学校伝染病のひとつに指定されており,耳下腺の腫れが消えるまでは,登校・登園が禁止になります.
●おたふくかぜの合併症として,無菌性髄膜炎が3-10%に起こります.また,難聴が数万人に1人程度起こります.男子が思春期以降にかかった場合は,睾丸炎を併発することがあり,男性不妊症を起こす心配があります.
●流行期間中におたふくかぜのお子さんと接触して,既に感染している場合があります.この場合には,接種を受けても間に合わず,おたふくかぜの症状が出てしまうことがあります.

おたふくかぜワクチンの接種について

○おたふくかぜワクチンは任意接種で,希望者だけが自費で接種を受けることになっています.
○1歳を過ぎれば接種できます.1歳になったら直ぐに麻疹風疹ワクチンを,そのまた4週間後におたふくかぜワクチンの接種を受けることができます.ただし,流行期にはこの限りではありませんので,御相談下さい.
○おたふくかぜワクチンは生ワクチンですので,接種後1カ月近くは体内で弱毒ウイルスが生きています.この間は,副反応の発現や体調の変化に気をつけてください.

おたふくかぜワクチンの接種を受けた後の副反応

○接種後2-3週間たった頃,まれに発熱,耳下腺の腫れ,嘔吐,せき,鼻汁などを認めることがあります.一般に症状は軽く,通常,数日中に消失します.
○自然におたふくかぜにかかった場合に比べて頻度は少ないですが,おたふくかぜワクチンによる疑いのある無菌性髄膜炎が接種後2-3週間頃にごくまれに発生することがあります.無菌性髄膜炎になると,発熱,嘔吐,頭痛などの症状が出現します.このような症状が出現した場合には受診してください.通常,2週間前後で軽快,回復します.

接種を受けてはいけない人

○明らかにに発病している人
○重い急性の病気にかかっている人
○カナマイシン・エリスロマイシン(抗生物質)等の投与を受けて,アナフィラキシー(ひどいアレルギー反応)を起したことがある人
○免疫不全の人
○妊娠している人
○接種前3カ月以内に輸血またはガンマグロブリン製剤の投与を受けた人
○接種前6-11カ月以内にガンマグロブリン大量療法を受けた人
○その他,医師が接種に不適当な状態と判断した人

接種を受けるにあたって注意が必要な人

○上記以外に,医師が接種を行う際に,注意を要する人がいます.予診票は正確に記入し,からだに気がかりなことがある方はご相談下さい.

接種を受ける時の注意

○からだの調子がよい時に接種を受けてください.
○元気がない,きげんが悪い,食欲がすすまないなど,ふだんと変わったことがあれば御相談下さい.このような時は無理をせずに,次の機会に接種を受けて下さい.
○体温は家を出る前に測定してきてください.
○「母子健康手帳」を接種日に持参してください.

接種を受けた後の注意

○接種当日はいつも通りの生活でかまいませんが,激しい運動は避けて下さい.入浴は差し支えありません.
○接種した部位は揉まないで下さい.押さえるだけで十分です.わざとこするのはやめましょう.
○おたふくかぜワクチン接種後4週間は他のワクチンを接種できません.

病気の後の予防接種までの期間

○麻疹の治癒後4週間,風疹・水痘・おたふくかぜの治癒後2-4週間,突発性発疹・手足口病・伝染性紅斑などの治癒後1-2週間程度は,予防接種を受けない方がよいでしょう.疾病流行期はこの限りでありません.
○上記疾患以外で高熱が出た場合には,1週間は予防接種を受けない方がよいでしょう.