ガーダシルの概要

(1)ヒトパピローマウイルス(HPV)は,子宮頸がんおよびその前がん病変をはじめ,外陰や腟に発症する病変(外陰上皮内腫瘍や腟上皮内腫瘍),尖圭コンジローマなどを引き起こすウイルスです.
(2)ガーダシルは,子宮頸がんおよびその前がん病変,外陰上皮内腫瘍,腟上皮内腫瘍,尖圭コンジローマなどの発症に関係しているHPV6,11,16,18型の感染を予防するワクチンです.
(3)ガーダシルを接種しても,HPV6,11,16,18型以外の感染およびこれらによる病変発症の予防は期待できません.また,すでにHPV6,11,16,18型に感染している人に対してガーダシルを接種しても,ウイルスを排除したり,発症している子宮頸がんや前がん病変などの進行を遅らせたり,治療することはできません.
(4)ガーダシルの接種時にHPV6,11,16,18型のいずれかのHPV型に感染している場合,そのHPV型に対する予防効果は期待できませんが,これら4つのすべてのHPV型に感染している可能性は低いため,1つの型のHPVに感染している場合でも他の3つの型のHPVに対する予防効果は期待できます.
(5)HPVに感染する可能性が低い10代前半にガーダシルを接種することで,子宮頸がんをはじめとするHPV6,11,16,18型による病気の発症をより効果的に予防することができます.

ガーダシルの効果

(1).ガーダシルは,臨床試験により16-45歳の女性に対するHPV6,11,16, 18型の感染や,子宮頸がんの前がん病変,外陰上皮内腫瘍,腟上皮内腫瘍,尖圭コンジローマを予防する効果が確認されています.9-15歳の女児において予防効果は確認されていませんが,ガーダシルを接種すると18-26歳の女性と同じように抗体ができることが確認されています.
(2)ガーダシルの予防効果の持続については,現時点で成人女性では少なくとも4年は予防効果が続くことが確認されています(海外臨床試験成績).現在も接種後の予防効果持続に関する経過観察が続けられています.
(3)現時点ではガーダシルの追加接種が必要になるかどうか明確な判断基準は設定されていません.将来,ガーダシルの追加接種が必要となる可能性もありますので,今後得られる情報にご留意ください.
(4)臨床試験では,ガーダシルにより前がん病変が予防できることが確認されていますが,子宮頸がんに対する予防効果について確認されているわけではありません.子宮頸がんは,前がん病変がみられた後に発症すると考えられ,これらを予防することにより,子宮頸がんを予防することができるものと考えられています.

ガーダシルの副反応

(1)ガーダシル接種と関連性があると考えられた主な副反応は以下のとおりです. 
頻度10%以上:注射部位の痛み・赤み・腫れ 
頻度1-10%未満:発熱,注射部位のかゆみ・出血・不快感,頭痛 
頻度1%未満:注射部位のしこり,手足の痛み,筋肉が硬くなる,下痢,腹痛,白血球数増加 
頻度不明:無力症(上まぶたの下垂,物が重なって見えるなど),寒気,疲れ,だるさ,血腫,気を失う,体がふらつくめまい,関節の痛み,筋肉痛,おう吐,悪心,リンパ節の腫れ・痛み,皮膚局所の痛みと熱を伴った赤い腫れ
(2)まれに,過敏症反応(アナフィラキシー反応やアナフィラキシー様反応〈呼吸困難,目や唇のまわりの腫れなど〉,気管支痙攣〈発作的な息切れ〉,じんましんなど),ギラン・バレー症候群(下から上に向かう両足のまひ),血小板減少性紫斑病(鼻血,歯ぐきの出血,月経出血の増加など),急性散在性脳脊髄炎(まひ,知覚障害,運動障害など)があらわれることがあります.このような症状が疑われた場合は,すぐに医師にご相談ください.
(3)ガーダシルを適正に接種したにもかかわらず,健康被害が発生した場合には,その内容,程度に応じて薬事・食品審議会での審議を経て「医薬品副作用被害救済制度」により治療費などが受けられる場合があります.詳しくは,独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページなどをご覧ください.

次の方は接種を受けないでください

(1)明らかに発熱している方(通常は37.5℃を超える場合).
(2)重い急性疾患にかかっている方.
(3)ガーダシルの成分(詳しくは医師にお尋ねください)によって,過敏症(通常接種後30分以内に出現する呼吸困難や全身性のじんましんなどを伴う重いアレルギー反応を含む)をおこしたことがある方.
(4)その他,かかりつけの医師に予防接種を受けないほうがよいと言われた方.

次の方は接種前に医師にご相談ください

(1)血小板減少症や凝固障害を有する方.
(2)心臓血管系疾患,腎臓疾患,肝臓疾患,血液疾患,発育障害などの基礎疾患のある方.
(3)過去に予防接種で接種後2日以内に発熱,全身性発しんなどのアレルギーを疑う症状のみられた方.
(4)過去にけいれん(ひきつけ)をおこしたことがある方.
(5)過去に免疫状態の異常を指摘されたことのある方もしくは先天性免疫不全症と診断された近親者がいる方.
(6)妊婦あるいは妊娠している可能性のある方.
(7)現在,授乳中の方.
(8)ガーダシル以外のHPVワクチンの接種を受けたことがある方.

ガーダシル接種にあたっての注意点

(1)ガーダシルの接種対象者は9歳以上の女性です. 
(2)ガーダシルは初回接種(1回目),2ヵ月後(2回目),6ヵ月後(3回目)に,腕または大腿部(ふともも)の筋肉内に接種します.
(3)ガーダシルRの十分な予防効果を得るためには3回接種する必要があります.
(4)1回目にガーダシルRを接種した場合は,2回目,3回目もガーダシルRを使用してください.1回目以降,2回目,3回目で他のワクチンを接種した場合の予防効果は確認されておりません.
(5)3回の接種の途中で妊娠した場合には,接種を見合わせ,その後の接種については医師にご相談ください.

ガーダシル接種後の注意点

(1)接種後は強く揉まず,軽く押さえる程度にとどめてください.
(2)ガーダシル接種後に,注射による恐怖,痛みなどが原因で,気を失うことがあります.気を失って転倒してしまうことをさけるため接種後すぐに帰宅せず,30分程度は接種した医療機関で座って安静にし,医師とすぐに連絡がとれるようにしておいてください.
(3)ガーダシルを接種した後に注射した部位が腫れたり,痛むことがありますが,これは,体内に備わっている抵抗力が注射した成分を異物として認識するためにおこります.通常は数日間程度で治まります.
(4)接種後は,接種部位を清潔に保ってください.
(5)接種翌日までは,過度な運動を控えてください.
(6)接種した日の入浴は問題ありません.
(7)接種後1週間は症状に注意し,気になる症状があるときは医師にご相談ください.
(8)HPVワクチンを接種した後も,ワクチンでは予防できない型のHPVによる病変を早期発見し早期治療するために子宮頸がん検診の受診が必要です.20歳を過ぎたら定期的に子宮頸がん検診を受けましょう.