肺炎球菌とは?

肺炎球菌は,多くの子どもの鼻やのどに存在します.子どもの体力や抵抗力が落ちた時などに,身体各所に入り込んで病気を引き起こします.

肺炎球菌が起こす病気

(1)細菌性髄膜炎:脳や脊髄をおおっている髄膜に菌が侵入して炎症を起こします.日本では毎年約200人の子どもが肺炎球菌による髄膜炎にかかり,そのうちの3分の1程度が死亡するか重い障害が残っています.
(2)菌血症:血液の中に菌が入り込む状態です.放置すると,血液中の菌がいろいろな臓器に感染し,髄膜炎などの重い病気を引き起こします.
(3)肺炎:肺炎球菌はその名の通り肺炎の原因菌として重要です.症状が重く,入院が必要になる場合があります.
(4)中耳炎:風邪などで抵抗力が落ちた時に,中耳(耳の奥,鼓膜の向こう側)に炎症を起こします.肺炎球菌による中耳炎は治りにくく,何度も繰り返すことがあります.
(5)このほか,副鼻腔炎,骨髄炎,関節炎なども肺炎球菌によって起こります.

効果

小児用肺炎球菌ワクチンは,生後2ヵ月齢以上6歳未満のお子さんに接種することができるワクチンです.このワクチンの接種によって,肺炎球菌による重い感染症(細菌性髄膜炎,菌血症など)を予防することが期待されます.

接種スケジュール

標準の接種スケジュールは,初回免疫として2ヵ月齢以上7ヵ月齢未満で接種を開始して,27日間以上の間隔で3回接種し,12-15ヵ月齢で追加免疫を1回接種の計4回接種します.

この期間の接種を逃した場合は,月齢に応じてそれぞれ以下の通りに接種します.7ヵ月齢以上12ヵ月齢未満で接種開始の場合は,初回免疫を27日間以上の間隔で2回,12ヵ月齢を過ぎてから追加免疫を1回の計3回接種します.12ヵ月齢以上24ヵ月齢未満の場合は60日間以上の間隔で計2回,24ヵ月齢以上の場合では1回接種します.

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副反応

小児用肺炎球菌ワクチンの国内臨床試験でみられた副反応は,注射部位の症状(赤み,硬結,腫れ,痛みなど),発熱(37.5℃以上)などです.

ただし,非常にまれですが,海外で次のような副反応が報告されています.
(1)ショック,アナフィラキシー様反応(通常接種後30分以内に出現する呼吸困難や全身性のじんましんなどを伴う重いアレルギー反応のこと)
(2)けいれん.このような症状が認める,疑われた場合は,すぐに医師に申し出てください.

予防接種を受けることができない方

(1)明らかに発熱している方(通常は37.5℃を超える場合)
(2)重い急性疾患にかかっている方
(3)このワクチンの成分またはジフテリアトキソイドによってアナフィラキシー(通常接種後30分以内に出現する呼吸困難や全身性のじんましんなどを伴う重いアレルギー反応のこと)をおこしたことがある方
(4)その他,かかりつけの医師に予防接種をうけないほうがよいといわれた方

予防接種を受けるに際し,医師とよく相談しなければならない方

(1)心臓血管系疾患,腎臓疾患,肝臓疾患,血液疾患,発育障害などの基礎疾患のある方
(2)過去に予防接種で接種後2日以内に発熱,全身性発しんなどのアレルギーを疑う症状のみられた方
(3)過去にけいれん(ひきつけ)をおこしたことがある方
(4)過去に免疫状態の異常を指摘されたことのある方もしくは近親者に先天性免疫不全症の者がいる方
(5)このワクチンの成分またはジフテリアトキソイドに対してアレルギーをおこすおそれのある方

ワクチン接種後の注意

(1)接種後30分間は,ショックやアナフィラキシーがおこることがありますので,院内にいてください.
(2)接種後に高熱やけいれんなどの異常が出現した場合は,速やかに医師の診察を受けてください.
(3)接種後1週間は体調に注意しましょう.また,接種後,腫れが目立つときや機嫌が悪くなったときなどは医師にご相談ください.
(4)このワクチンの接種後,違う種類のワクチンを接種する場合には,6日間以上の間隔をあける必要があります.ただし,このワクチンは他のワクチンとの同時接種が可能ですので,同時接種を希望する場合には,医師にご相談ください.
(5)接種部位は清潔に保ちましょう.入浴は問題ありませんが,接種部位をこすることはやめましょう.
(6)接種当日は激しい運動はさけてください.その他はいつも通りの生活で結構です.

【参考】

小児用肺炎球菌ワクチンの接種により健康被害が発生した場合には,「医薬品副作用被害救済制度」により治療費等が受けられる場合があります.詳しくは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページ等をご覧ください.

●医薬品副作用被害救済制度
予防接種法の定期接種によらない任意の接種によって健康被害(医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用により入院が必要な程度の疾病や障害など)が生じた場合は,独立行政法人医薬品医療機器総合機構法による被害救済の対象となります.健康被害の内容,程度等に応じて,薬事・食品衛生審議会(副作用被害判定部会)での審議を経た後,医療費,医療手当て,障害年金,遺族年金,遺族一時金などが支給されます.

問い合わせ先は下記のとおりです.
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 健康被害救済部 救済制度相談窓口
電話:0120-149-931(フリーダイヤル)
URL:http://www.pmda.go.jp/