結核について

●結核は菌陽性肺結核患者が咳をした時などに飛散する菌で空気感染(飛沫核感染)します.
●感染すると肺には初感染原発巣が形成され,まもなく肺門リンパ節にも病巣を作ります.80%程度はこの段階で病巣に石灰が沈着して治癒しますが,結核菌が血行性,リンパ行性,あるいは管内性に全身どの臓器にも拡がることがあり,肺結核,結核性髄膜炎,粟粒結核,胸膜炎,骨関節結核,腎結核等を起こし得ます.肺結核が最も多く,結核患者の約80%を占めます.発病は感染後1年以内のことが多いですが,病巣内に閉じ込められた結核菌は長く生存できるので10-20年後に発病することもあります.
●わが国では今でも毎年3万人以上の人が結核を発病しています.発病者の約半数は60歳以上の高齢者ですが,小児,若年者の結核もみられます.ここ数年,集団感染が問題になっています.結核に対する免疫は,お母さんから赤ちゃんへ移行しないので,生まれたばかりの赤ちゃんも結核に感染する可能性があります.乳幼児は結核に対する抵抗力が弱いので,感染すると全身性の結核症や結核性髄膜炎になり重い後遺症が残る場合があります.
●結核の化学療法の進歩をめざましく,ほとんどの例を薬で治すことができますが,6カ月以上の治療が必要です.

BCGの効果

○BCG接種により,結核の発病を,接種をしなかった時の4分の1に抑えることができます.
○BCG接種は,結核性髄膜炎や粟粒結核など小児の重篤な結核の発病予防にとくに効果があります.
○BCGを1度接種すれば,その効果は10-15年程度持続します.

BCGの受け方

○BCGは生後5カ月以上8カ月未満で接種を受けます.

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○健康上等の理由により接種を受けられなかった場合には,1歳未満であれば接種を受けることができます.
○1歳以上でBCG接種を受ける場合には任意接種になります.この場合,BCG接種の前にツベルクリン反応を行う必要があります.
○BCGは生ワクチンですが,細胞性免疫を直接刺激するため,ガンマグロブリン製剤の投与を受けた場合でも接種を受けることができます.
○アトピー性皮膚炎や湿疹の治療で副腎皮質ステロイド外用剤を使用している場合でも,接種局所に塗布していない場合には,BCG接種を受けることができます.

BCG接種後の正常皮膚反応

○BCG接種後10日頃に接種部位に赤いポツポツができ,一部に小さな膿を持つようになります.接種後4-6週間くらいが接種部位の赤みが一番強く,やがてかさぶたができます.接種後2-3カ月くらいすると赤みや膿はなくなり,やがて針痕(はりあと)が残ります.以上の経過は,BCG接種後の正常の皮膚反応で,BCG接種により免疫が成立した証拠です.

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BCGの副反応

○まれに,接種した側のわきの下のリンパ節が腫れることがあります.通常,放置をしてかまいません.腫れが大きくなる,ただれる,化膿して破れてしまった場合には,当院を受診してください.

コッホ現象に注意!!

●BCG接種後1-10日以内に,接種局所に発赤,腫脹が生じ.さらに針痕部位が化膿することがあります.これを「コッホ現象」と呼びます.BCG接種後にこのような現象が起きた場合には,過去に結核に感染している可能性があります.早めに当院を受診してください.

接種を受けた後の注意

○接種部位はどこにも触れないように気を付けながら,自然乾燥させてください.約10分で乾きます.
○接種部位をわざとこするのはやめましょう.
○接種当日は普段通りの生活でかまいません.激しい運動は避けて下さい.入浴は差し支えありません.
○BCG接種後は,4週間は他のワクチンを接種できません.

病気の後の予防接種までの期間

○麻疹の治癒後4週間,風疹・水痘・おたふくかぜの治癒後2-4週間,突発性発疹・手足口病・伝染性紅斑などの治癒後1-2週間程度は,予防接種を受けない方がよいでしょう.ただし,疾病流行期はこの限りでありません.
○上記疾患以外で高熱が出た場合には,1週間は予防接種を受けない方がよいでしょう.