先週,障害者基礎年金の支給を受けられない方々が国を提訴しました.1991年以後,20歳以上の人は国民年金に任意に加入することが出来るようになりました.20歳を過ぎた人で仕事をしていない人(大学生など)で加入をしていない人がたくさんいました.不幸にも事故などにより障害者になった人のうち,国民年金未加入だった人には障害者基礎年金の受給資格がありません(20歳以上の国民年金加入者,20歳未満だった障害者は受給資格があります).

なぜ,このようなことが起こったかを考えてみましょう.年金を社会保険方式で行なっているために,このような制度上の不備が生じたと思います.老人,障害者などは社会的弱者で,勤労により収入を得ることが困難になります.社会全体でこのような人々を守ってあげなければなりません.誰もがこのような立場になる可能性があるので,決して他人事ではありません.しかし,現実には,今回の障害者基礎年金の受給者になれない,老後に受け取るはずの国民年金を借金の肩代わりに取られてしまう,などの問題が起きています.

年金制度が税方式で行なわれていれば,障害者基礎年金の制度的欠陥は起きなかったと思います.公的医療保険は現行の社会保険方式で十分機能すると思いますが,年金制度はこれとは切り離して税方式で行なうべきと考えます.税方式であれば,未加入,未払いによって将来年金が受給できないということはなくなります.ただし,税方式にした場合には,大きな政府になってしまうなどの欠点があります.税方式にも社会保険方式にも長所短所がありますが,今回のような悲劇を繰り返さないためには,税方式が優れていると思います.

税方式で行なう場合には,その原資を消費税率の引き上げ(15%程度)で賄う,基礎年金部分は税方式の公的年金制度で実施し,報酬比例部分は民間の年金制度にゆだねるのがよいのでないかと考えます.

少子高齢化を迎え,受給と負担のアンバランスが既に生じています.現在の社会保障制度は事実上破綻しています.みなさん,どのようにお考えでしょうか?