2019年12月に中国湖北省武漢で発生した新型コロナウイルス感染症が,中国で猛威をふるい,世界各国で患者発生が次々に報告されています.既に,日本国内でも患者が発生し,3次感染が確認されています.無症状病原体保持者が存在すること,潜伏期間にも感染力があること,初回検査陰性者がその後陽性に転ずることなどから,封じ込めを行うことには困難が予想されます.2009年に世界的大流行を起こした新型インフルエンザには,迅速診断キット,タミフルなどの治療薬,ワクチンがありました.一方,新型コロナウイルスには現時点では何も用意されていません.

新型コロナウイルス感染症への当院の対応は,以下の通りです.

<現状での対応>
2週間以内に中国への渡航歴のある方の入場を禁止します.
有症状の方は最寄りの保健所に電話をして,指示を受けてください.
長岡保健所(平日)0258-33-4932(夜間,土日祝)33-4930
三条保健所(平日)0256-36-2362(夜間,土日祝)36-2330

*2月3日現在,国は湖北省のパスポート所有者あるいは滞在歴のある方のみを入国拒否にしています.武漢市から800キロ離れた浙江省温州市でも流行が拡大し,都市封鎖が行われています.春節に伴う人口移動により,新型コロナウイルスが拡散しているようです.当院では,2週間以内に中国全土への渡航歴のある方を入場禁止にします.

医療資材(マスク,手袋,消毒液など)が枯渇した場合には,休診します.

*現在,マスクが極端な品薄になっており,発注しても必要数が納入されません.消毒液も同様です.備蓄分を取り崩してようやく診療を継続している状態です.医療資材が枯渇した場合には,休診にせざるを得ません.

<日本国内で流行した場合の対応>
全ての診療を完全予約制にします.予約枠に上限を設けます.上限に達した場合,かかり付けの方でも診療をお断りする場合があります.

一般診察の新患受付を停止します.

医療スタッフに病欠が生じた場合には,休診または大幅な診療制限を行います.

*当院は,既に,通常の診療だけで手一杯です.医療需要のこれ以上の増大にこたえることは不可能です.医学や医療の進歩に伴い,一般小児科外来の診療は以前に比べて非常に手間がかかるものになっています.スタッフ一同鋭意努力していますが,限界です.診療の継続,質の維持,スタッフの健康維持を考えた場合,上記のような措置を取らざるを得ません.

医療資材(マスク,手袋,消毒液,防護服など)が枯渇した場合あるいは入手できない場合には,休診します.
*国内で流行した場合には,診療に防護服が必要になることが予想されます.防護服が診療所まで供給されるとは思えません.

米国は,中国への渡航を禁止しました.ロシアは,中露国境を超える列車の運行を停止しました.北朝鮮は,中国およびロシアとの交通を全て遮断しました.イタリアは,中国,香港,台湾への飛行機の運行を停止しました.

迅速診断キット,治療薬,ワクチンがない現状では,新型コロナウイルスの日本国内への持ち込みを極力減らすために最大限の努力をし,時間稼ぎをするしかありません.現在,日本が取っている水際対策は不十分です.せっかくの島国であるという利点が生かされていません.もし,日本国内で流行した場合には,医師不足などで既に疲弊している地方の医療体制に深刻な影響が出ることが予想されます.

新型コロナウイルスが日本国内で流行しないことを祈るばかりです.