2020年3月13日,日本小児科学会の予防接種・感染症対策委員会新興・再興感染症対策小委員会より,「小児の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の臨床的な特徴」が発表されました.要旨は以下の通りです.詳細は,https://bit.ly/2vveKkm に記載されています.


これまでに報告された小児(0-18 歳)のCOVID-19の報告例(2020年3月8日現在)から,小児における COVID-19は比較的軽症なウイルス性の気道感染症の病像を呈することが示された.以下が,その特徴である.

主な症状は発熱と咳嗽である.鼻汁や鼻閉などの上気道症状は比較的少なく,嘔吐,腹痛や下痢などの消化器症状も報告はあるものの特徴的ではない.咳嗽など下気道症状が主体と思われる一方で,喘鳴などの報告は少ない.

詳細な経過を記した報告は少なく,臨床経過については不明確なところが多い.成人同様に3日以上の発熱を呈する例も報告されている.

血液検査上の特徴はなく,白血球数,CRP値などは正常範囲のことが多い.LDHの軽度上昇を約1/3の症例に認める.

胸部X線検査や肺のCT検査上は斑状のスリガラス様陰影を認めるが,報告例のなかで呼吸不全を呈した例は少ない.

抗HIV薬(ロピナビル・リトナビルの合剤)やインターフェロンαの投与が行われた例もあるが,有効性については明確でない.

軽症あるいは自然軽快する症例がほとんどである.急性下痢症で発症し,敗血症・腎不全・呼吸不全に至った3歳児の重症例の報告がある.本症例では他の感染症の除外は出来ておらず,解釈には慎重を要す.

ウイルス排泄は,症状の有無にかかわらず,鼻咽腔の他に便中からも長期にわたって確認されている.(ただし,便中の検出はリアルタイムPCR法による検出であり感染性は不明)

中国における小児(0-18歳)の報告例は全体の2.4%を占めるにすぎず,日本国内も散発例に留まる.小児の臨床像に関する報告は,現時点では中国における家庭内接触による感染者が主体でありいずれも軽症である.濃厚接触者における年齢別の検討により,小児の罹患率は成人と変わらないことが示されている.小児の報告例が少ない理由は,無症状あるいは軽症が多く検査実施に至っていないためと類推される.


 

日本における小児の新型コロナウイルス感染症の報告例が少なく,詳細な臨床像は不明です.中国からの報告から推測すると,一般の「咳風邪」のような症状を呈する場合が多く,既存の疾患とは臨床像だけからは区別ができないようです.