漏斗胸とは?

「漏斗胸」とは,胸の中心部やみぞおち周辺が陥没する病気で,重症の場合には拳が入るほどのくぼみになります.左右の肋骨の間,みぞおちの直上にある「胸骨」が曲がり,胸腔側に凹(へこ)むために,くぼみができます.
有病率は700-1000人に1人で,男子の患者数は女子の4倍です.
発症に遺伝的素因が関係することがあります.

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症状は?

小児期には,胸のくぼみ以外に症状がないことがほとんどです.無治療のまま放置すると,成長とともに心臓や肺が圧迫され,肺炎や気管支炎を繰り返し,まれに不整脈で突然死することがあります.
幼児期や小学校低学年では本人は自分が病気であることを自覚しないようですが,高学年になると学校でからかわれたりするせいか治したいと思うようになるようです.

治療は?

漏斗胸の手術には,以下のものがあります.

(1)胸骨翻転術:
曲がった胸骨を切り取って裏返し,縫合し直す方法.
心臓や肺への圧迫はなくなるが,胸の中心部が飛び出てしまい,手術痕が比較的大きく残る.

(2)胸骨挙上術:
胸骨に切れ目を入れて引き上げる方法.手術痕が比較的大きく残る.

(3)ナス(NUSS)法:
左右の脇腹を数cm切開し,片側から内視鏡と棒状のイントロデューサーを差し込み,心臓や肺をよけながら反対側までテープを通し,そのテープに幅2cm,長さ20cmのステンレスの板を結んで胸腔内に引き入れ,胸骨を持ち上げるように固定する.
約2年間そのままにしておくと,胸骨が持ち上がったまま形良く固まる.
その後,ステンレスの板を引き抜くための手術をもう1度行う.

(1) 胸骨翻転術や(2) 胸骨挙上術のように,肋軟骨を切るわけでないのでからだへの負担は少なく,手術痕が目立たない.

どこで手術すればいいの?

当院では,漏斗胸を発見した場合には,中央綜合病院形成外科を紹介しています.
国内でも有数の手術件数を誇っています.手術の時期は漏斗胸の程度や手術方法によって様々ですが,3-5歳くらいから実施が可能です.