小児期から思春期の有症率

1992-2002年に実施された日本における複数の調査では,アトピー性皮膚炎の有症率は乳児で6-32%,幼児で5-27%,学童で5-15%,大学生で5-9%でした.2000-2002年に実施された厚生労働科学研究における全国規模の健診による疫学調査では,アトピー性皮膚炎の有症率は4カ月児で12.8%,1歳6カ月児で9.8%, 3歳児で13.2%,小学1年生で11.8%,小学6年生で10.6%,大学生で8.2%でした.アトピー性皮膚炎は,成長とともに有症率が低下する傾向を示しました.

成人での有症率

2006-2008年に実施された厚生労働科学研究における大学職員を対象とした調査では,アトピー性皮膚炎の有症率は20歳代が9.4%,30歳代が8.3%,40歳代が4.8%,50-60歳代が2.5%でした.男女別有症率は男性が5.4%,女性が8.4%で,女性に高い傾向がみられ特に20歳代女性で高率でした.成人アトピー性皮膚炎の50%が20歳未満で,90%が30歳未満で発症していました.アトピー性皮膚炎は小児や思春期だけでなく,20-30歳代の若い成人でも頻度の高い皮膚疾患です.乳幼児期のほかに,15-30歳の間に発症の第2のピークがあります.

重症度

2000-2002年に実施された厚生労働科学研究における全国規模の健診による疫学調査では,中等症以上の割合は1歳6カ月児で16%,3歳児で15%,小学1年生で24%,小学6年生で28%,大学生で27%でした.幼児期よりも学童期に症状が悪化する傾向がみられました.

2006-2008年に実施された厚生労働科学研究における大学職員を対象とした調査では,軽症が80.1%,中等症が17.7%,重症が1.5%,最重症が0.6%でした.

アトピー性皮膚炎の経過

1992年の乳幼児健診における調査では,3歳のアトピー性皮膚炎児の初発時期は,生後6カ月以前が35.3%,6-12カ月が21.5%,1歳-1歳6カ月が17.5%,1歳6カ月以降が25.7%でした.

1995年の厚生省アレルギー総合研究事業報告書では,小児アトピー性皮膚炎の50%は2歳未満で,90%は8歳未満で発症していました.

1996年の報告では,1歳未満で診断されたアトピー性皮膚炎児を追跡調査したところ,4年後には症状が51%で改善し,34%で消失していました.

2006-2008年に実施された乳幼児健診における調査では,生後4カ月の一般乳児の16.2%がアトピー性皮膚炎を発症していました.その後の追跡調査では,アトピー性皮膚炎は生後4カ月から1歳6カ月までに70.1%が,1歳6カ月から3歳までに48.1%が寛解していました.3歳までの累積発症率は31.6%でした.