口腔アレルギー症候群とは?

食物アレルギーの1つに「口腔アレルギー症候群」という病気があります.果物や野菜を摂取して数分以内に,口腔や咽頭に限局してアレルギー症状が生じます.口の中がかゆい,喉がイガイガする,喉がつまる感じするなどの症状が出現しますが,多くは15分以内に消退します.なかには,これらの症状に引き続いて,鼻汁,結膜充血,全身の蕁麻疹,喘鳴,呼吸困難,下痢,腹痛,ショックなどが起こる場合があります.

口腔アレルギー症候群と花粉症

口腔アレルギー症候群には花粉症が合併することが知られています.例えば,北海道のシラカンバ花粉症患者の10-20%は,リンゴなどを食べると口腔アレルギー症候群が起きます.シラカンバ花粉とリンゴ果肉に交叉抗原性があるために,このような現象が生じます.口腔アレルギー症候群に関連する花粉と原因食品の主な組み合わせは以下の通りです.
シラカンバ(カバノキ科):リンゴ,モモ,サクランボ,洋ナシ,ナシ,スモモ,セロリ,ニンジンなど

スギ,ヒノキ(スギ・ヒノキ科):トマト
カモガヤ,オオアワガエリ(イネ科):トマト,メロン,スイカ,ジャガイモ,オレンジなど

ブタクサ(キク科):メロン,スイカ,ズッキーニ,キュウリ バナナなど

ヨモギ(キク科):ニンジン,セロリ,リンゴ,キウイなど

※ラテックス(ゴム手袋)アレルギーには,マンゴ,クリ,バナナ,キウイなどによる口腔アレルギー症候群が合併します.

診断

診断は,詳しい病歴の聴取,特異的IgE抗体検査,食物負荷試験,プリックテスト(prick test)などにより行います.プリックテストは,抗原を皮膚に1滴垂らしてプリック針で軽く傷をつけ,皮膚に発赤や膨疹が出現するかをみる検査です.口腔アレルギー症候群では,通常の検査用抗原を用いたプリックテストや特異的IgE抗体検査は感度が低いため,”prick to prick test”が有用です.”Prick to prick test”は新鮮な果物の果肉とくに果皮直下の部分にプリック針を刺し,その後直ぐにその針で皮膚を軽く傷つけ,皮膚の変化を観察します.

治療

治療は,原因食物の除去です.ただし,口腔アレルギー症候群を起こす果物や野菜のアレルゲンは壊れやすいため,十分に加熱したものや缶詰になったものでは症状を引き起こさない場合があります.

疑わないと正しい診断に行き着かない!!

口腔アレルギー症候群は症状が軽微な場合が多く,一般に広く認識された疾患でないため,疑わないと正しい診断に行き着きません.果物や野菜を食べて口がピリピリする場合には,口腔アレルギー症候群の可能性があります.どうぞ当院に御相談ください.