食物アレルギーとは?

食物アレルギーは,「食物を摂取した後に,免疫学的機序を介して,生体にとって不利益な症状(皮膚,粘膜,消化器,呼吸器,アナフィラキシー反応など)が惹起される現象」と定義されます.

頻度は?

わが国における大規模調査の結果,食物アレルギーの頻度は乳児期で5-10%,学童期で1-2%です.年齢別には0歳が29.3%を占め最多です.その後,年齢が増すにつれ減少しますが,8歳以下で全体の80.1%を占めます.
20歳以上の成人例は9.2%で,決して少なくありません.

158-2

原因食品は?

原因食品は,鶏卵が最多で,乳製品,小麦がこれに次ぎます.以下,そば,魚介類,果物類,えび,肉類,大豆が上位を占めます.

症状は?

食物アレルギーの症状としては,皮膚症状が最多で,次いで呼吸器症状,粘膜症状,消化器症状がみられます.皮膚症状としては急性蕁麻疹や血管性浮腫が多く,通常は数分以内に起こることが多く,痒みを伴います.
消化器症状としては,悪心,嘔吐,腹痛,下痢が多く,食物摂取後数分から数時間で起きます.呼吸器症状としては,鼻汁,鼻閉,くしゃみなどのアレルギー性鼻炎の症状や喉頭狭窄,喘息発作などを起こします.

アナフィラキシーショック

これらの症状に比べ頻度は小さいですが,全身症状であるアナフィラキシーショックが起こることがあり,ときに死に至ります.
症状発現までの時間は様々ですが,典型的な場合には食物摂取後数分以内に起こります.しかし,消化吸収に時間がかかるような食物が原因の場合には,30分以上経ってから症状を呈する場合があり注意が必要です.

初期症状は,口唇,舌,咽頭部の腫れや痒み,吐き気や嘔吐です.皮膚,消化器,呼吸器症状のほかに,血圧低下,血管の虚脱,不整脈などの循環器症状を伴います.

致死的なアナフィラキシーの原因として,日本ではそば,魚介類,甲殻類,ピーナッツ,卵,牛乳,アメリカ合衆国ではピーナッツ,種実類,魚介類,卵,牛乳などがあげられます.

食物アレルギーは治るの?

乳幼児期に食物アレルギーを保有していた小児は,70%程度は3歳頃までに耐性を獲得し,原因食物を摂取しても症状を起こさなくなります.
一方,年長児から成人になって発症した食物アレルギーや,そば,ピーナッツなど特定の食物により強いアナフィラキシーが起こるような例では,耐性を獲得することは少ないです.