マイコプラズマ感染症とは?

Mycoplasma pneumoniaeというウイルスと細菌のあいだに位置する微生物が原因となって,さまざまな臨床症状を呈します.Mycoplasma pneumoniaeは細胞壁をもたないので,通常のペニシリン系,セフェム系抗生物質は無効です.

飛沫感染しますが,感染力はそれほど強くなく,家族や同一学級などの密接な環境下で伝播します.潜伏期間は1-3週間程度と考えられています.

感染後には血中抗体が上昇しますが,この抗体は2年程度で低下してしまうので,再感染することがあります.4年に1度流行するので,かつては「オリンピック肺炎」と俗称されていましたが,現在はこの流行周期は明らかでなくなって来ています.

症状

(1)発熱,咳,頭痛,鼻汁,倦怠感などが主症状です.病初期には乾いた咳ですが,次第に湿った咳になっていきます.

(2)肺炎を起こすことがあり,「マイコプラズマ肺炎」と呼びます.

(3)気管支喘息の発作を誘発して,胸がゼイゼイすることがあります.

診断

(1)血液検査:マイコプラズマ抗体が上昇,寒冷凝集反応が増加します.

(2)胸部X線:マイコプラズマ肺炎を起こした場合には,スリガラス状の陰影を生じます.一側性のことが多く,40%は右下肺野に陰影を認めます.

治療

(1)マクロライド系(クラリス,エリスロシン,ジスロマック,リカマイシンなど),ニューキノロン系(オゼックス)抗生物質が有効です.テトラサイクリン系は有効ですが,小児では副作用の点から年長児の重症例以外には通常用いません.

(2)ゼイゼイが起きた場合には喘息の治療が必要になります.

合併症

3-4%に中枢神経症状(髄膜炎,脳炎),8-15%に消化器症状(下痢,嘔吐,食欲不振,肝機能異常),3-30%に発疹などを生じることがあり,臨床像は多彩です.