手足口病とは

乳幼児のあいだで流行する夏かぜの一種です.コクサッキーウイルスA群16型およびその変異型,エンテロウイルス71型により起こります.ほかの季節に流行することもあります.
手のひら,足のうら,口の中に小さな水ぶくれができる病気です.お尻や膝にできることもあります.熱はないか,あっても微熱程度で済みます.手足の水ぶくれは通常痛くありませんが,口の中にできると痛くて食べられなくなることがあります.
手足口病の原因ウイルスは数種類あるので,何度でもかかることがあります.ごくまれに髄膜炎を併発して,熱が続いたり,吐いたりすることがあります.また,ごくごくまれに脳幹脳炎と肺水腫を合併することがあります.

治療

自然に治るので,特別な治療は不要です.皮膚症状が強い場合には,塗り薬を処方します.

家庭で気をつけること

(1)食べ物:口の中が痛いときは,しみないものを与えましょう.
熱いもの,塩味や酸味の強いもの,かたいものは控えましょう.

(2)入浴:熱がなく元気なら,入れてかまいません.

こんなときはもう一度診察を

(1)口の中が痛くて水分をあまり飲まないとき.(脱水であれば点滴が必要です.)

(2)高い熱が出た時.呼吸が早く浅くなったり,咳込みが激しい時.

(3)吐いてぐったりしているとき.

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保育所・学校

保育所や学校には,たとえ発疹があっても,本人さえ元気なら,行ってかまいません.

発疹が消失して症状が軽快しても,数週間は便にウイルスが排泄し続けますので,症状のある期間だけの登園,登校禁止は全く意味がありません.日本小児科学会からこの旨の勧告が出されています.

脳幹脳炎および肺水腫を合併する手足口病

1998年から2000年にかけて,マレーシア,台湾,大阪で,脳幹脳炎および肺水腫を合併する特殊な手足口病の流行があり,死亡例がありました.
原因ウイルスはエンテロウイルス71型で,神経親和性の高い株でした(すべてのエンテロウイルス71型がこのような症状を起こす訳ではありません).マレーシア,台湾では多数の死亡があり,数週間にわたって保育園やプールが完全に閉鎖されました.
万が一,このような特殊な手足口病が発生した場合には,同様の処置が必要です(中途半端に登園,登校禁止をしても全く意味がありません).