流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)とは?

ムンプスウイルスの感染により,耳の下(耳下腺)が腫れて痛くなります.顎下腺や舌下腺が腫れることもあります.通常左右とも腫れますが,片側だけのこともあります.ひどく腫れる場合もあれば,軽く済む場合もあります.腫れは5-7日間でひきます.熱は出ないこともあります.不顕性感染(=感染しても発病しない)が30-40%あります.

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治療

直接治療する薬はありません.痛みをおさえる薬を処方します.ただし,反復性耳下腺炎との区別が困難な場合には抗生物質を投与することがあります.

家庭で気をつけること

(1)食べ物:すっぱいものや,よくかまなくてはいけない食べ物は避けましょう.よけいに痛くなります.痛みが強いときは,かまずに飲みこめるものを食べさせましょう.牛乳やみそ汁,ポタージュスープ,プリン,ゼリー,おかゆ,とうふ,グラタンなどがよいでしょう.

(2)入浴:高い熱のあるときや痛みが強いとき以外は入ってかまいません.

合併症

(1) 3-10%に髄膜炎を合併します.高熱,激しい頭痛,頻回の嘔吐があれば髄膜炎です.このような症状が出たら早めに再診してください.髄膜炎になると最低1-2週間は入院が必要です.

(2)700-1000人に1人に聴神経障害が起こります.聴力検査で偶然に発見される難聴の多くは流行性耳下腺炎が原因と考えられています(片側難聴は日常生活には不自由がないので気付かれません).

(3)成人期にかかると睾丸炎や卵巣炎を合併することがあります.

診断

血液中のムンプス抗体価を測定します.耳下腺腫脹時のムンプスIgM,耳下腺腫脹1カ月後のムンプスIgG,中和抗体(NT)の上昇が確認されれば,流行性耳下腺炎に罹患したことが証明されます.

*パラインフルエンザウイルス3型などの他のウイルス感染や口腔内細菌による反復性耳下腺炎でも耳下腺腫脹が起こります(見かけ上は流行性耳下腺炎と区別がつきません).これらと区別をするために血液検査が必要です.

予防

流行性耳下腺炎を予防するにはワクチン接種しか方法がありません.流行性耳下腺炎は合併症が多い病気です.まだかかっていないお子さんがいたら,早めにワクチン接種を受けましょう.髄膜炎や難聴になってからでは手遅れです.1歳を過ぎれば接種を受けられます.

保育所・学校

学校保健安全法により,「耳下腺,顎下腺又は舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し,かつ,全身状態が良好になるまで」は,出席停止です.