クラミジアとは?

クラミジアは細菌ですが,一般細菌とは異なり,自らエネルギーを産生できないため動物細胞に感染し寄生しながら増殖するという特徴を持っています.ヒトに感染し病気を起こすクラミジアには,トラコーマや性行為感染症を起こすChlamydia trachomatis,オウム病の原因となるChlamydia psittaci,気管支炎や肺炎を起こすChlamydia pneumoniaeがあります.

肺炎クラミジアとは?

肺炎クラミジア(Chlamydia pneumoniae)は,小児科領域で最もよく経験するクラミジアです.潜伏期間は3-4週間と比較的長く,ヒトからヒトへ飛沫感染して広がります.家族内,学校などの集団,地域での流行はありますが,季節性はみられません.終生免疫は獲得しないため,ヒトは何度でも感染し発病します.また,持続感染もあります.

症状

肺炎クラミジアは,感冒,咽頭炎,扁桃炎,気管支炎,肺炎,中耳炎,副鼻腔炎など,呼吸器感染症全般を起こします.発熱は軽度なことが多く,咳が長引くのが特徴です.一部は肺炎に移行します.咳は年長児では乾性のことが多く,乳幼児では湿性のこともあり,夜間に強くなります.気管支喘息の発作を誘発し,胸がゼイゼイすることがあります.

診断

(1)血液検査:
白血球数は正常,CRPは軽度上昇のことが多く,肺炎クラミジアIgM抗体価の上昇あるいはペア血清でのIgG抗体価の上昇を認めます.

(2)胸部X線:
肺炎を起こした場合には,びまん性小斑状ないし斑状陰影を示します.

治療

(1)マクロライド系抗生物質(クラリス,エリスロシン,ジスロマック,リカマイシンなど)が有効です.テトラサイクリン系も有効ですが,8歳未満の小児では副作用の点から通常は用いません.

(2)ゼイゼイが起きた場合には喘息の治療が必要になります.

最近の知見

肺炎クラミジアが動脈硬化を引き起こし,狭心症や心筋梗塞,脳卒中などの危険因子であることが明らかになってきています.