アトピー咳嗽とは?

「アトピー咳嗽(がいそう)」は,喉(のど)(喉頭,気管)の掻痒感(イガイガ感)を伴う乾いた咳が唯一の症状です.喉への痰の引っ付き感を伴う場合もあります.咳は8週間以上持続します.男性よりも女性に多く,特に中年の女性に多発します.

咳発作は,就寝時に最も多く,これに深夜から早朝,起床時,早朝が次ぎます.冷気(クーラー),暖気,会話,電話,受動喫煙,運動,香水,などが,咳の誘因になります.

アトピー咳嗽には,気管支喘息以外のアトピー性疾患(アトピー性皮膚炎,アレルギー性鼻炎など)の既往歴や合併,あるいは家族歴を高率に認めます.また,末梢血好酸球数の増加,血清総IgEの上昇,特異的IgE抗体の陽性がみられる場合があります.

病態

気道過敏性の亢進は認めず,健常者と同程度です.一方,咳感受性は亢進していますが,治療により咳が軽快すると正常化します.

治療

(1)気管支拡張薬は無効です.
(2)抗ヒスタミン剤が有効です.しかし,有効率は60%程度です.
(3)上記(2)が無効あるいは咳が強い場合には,吸入ステロイドが必要になります.
(4)上記(3)が無効な場合には,1-2週間の経口ステロイドの内服を行う場合があります.

予後

一般的に,アトピー咳嗽ではその後に喘息を発症しません.しかし,咳が軽快して治療を終了すると,約4年間で50%程度の患者に咳の再燃を認めます.

鑑別診断

アトピー咳嗽と鑑別すべき疾患としては,気管支喘息,咳喘息,慢性気管支炎などが挙げられます.

咳が続いたら

明らかな喘鳴がないのにもかかわらず咳込みが続く場合には,「アトピー咳嗽」が疑われます.このような症状がある場合には,当院にご相談ください.