なぜテオフィリンの血中濃度を測るのか?

一般の薬剤では,治療域(治療にちょうどよい),安全域(治療域を越えているが中毒にはならない),中毒域(薬物中毒症状を起こす)があり,多少,量が多くても中毒になりません(下図参照:安全域あり!)

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テオフィリン製剤は気管支喘息や喘息性気管支炎の治療薬ですが,安全域がなく,治療域を越えるといきなり中毒域に達してしまいます(下図参照:安全域なし!!)

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テオフィリンの代謝は個人差が非常に大きく,年齢により変化します.このため,一般の薬剤のように体重をもとに薬剤量を計算しても,その量が適当かどうかは分かりません.血液を採取して,テオフィリンの血中濃度を測定する必要があります.

テオフィリンの至適血中濃度は,
小児では5-15μg/ml,成人では10-20μg/mlです.

どんな時に血中濃度を測るの?theophylline_01

代謝の速度が変わりやすい乳幼児,服用しているけれど喘鳴がおさまらない人,長期間服用する必要のある人は,テオフィリンの血中濃度を測定する必要があります.

長期間服用している気管支喘息の方は,副作用チェックを兼ねて半年に1度は,検査を受けて下さい.

朝の服用分を飲んで午前中に来院して下さい.

注意することは?theophylline_02

14員環マクロライド系抗菌薬のエリスロマイシン,クラリスロマイシン,抗ウイルス薬のバルトレックスなどは,テオフィリンの血中濃度を上昇させます.

これらの薬剤を併用する場合には,テオフィリン製剤を減量するか,血中濃度を測定しなければなりません.

一方,抗痙攣剤のテグレトールなどは血中濃度を低下させます.

併用薬剤には十分注意して下さい.

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高熱の場合,嘔吐が続いて脱水状態では,テオフィリンの血中濃度が上がります.このような場合には,中毒を起こさないように,
いつも服用している量の3分の2から2分の1程度に減量して下さい!!

テオフィリンの中毒症状は?

軽症では頭痛,不眠,嘔吐,興奮,動悸などですが,重症では痙攣,意識障害などを起こすことがまれにあります.ただし,頭痛,不眠,興奮,痙攣などは,テオフィリンの血中濃度が治療域でも起こることがあります.

テオフィリンの服用中にこれらの症状が出現した場合には,服用を中止して下さい.

テオフィリン関連痙攣

テオフィリンの血中濃度が高すぎると痙攣が起こります.これを「テオフィリン関連痙攣」と呼びます.テオフィリン関連痙攣は一般の痙攣に比べ,止まりにくく,痙攣がおさまっても後遺症が残ることがあります.テオフィリンの服用にあたっては医師の指示をよく守り,十分に注意してください.