小児気管支喘息の予後

小児の気管支喘息の60%は2歳までに,80%は3歳までに発症します,小児期の気管支喘息は男児に多い傾向を示します.小児気管支喘息の60-70%は思春期までに自然軽快または治癒すると言われていますが,裏を返せば30-40%は治癒に至らないすなわち成人期以降に喘息を持ち越します.成人喘息は小児喘息と異なり,治りにくく,治癒に至る確率は5%程度と言われています.

思春期喘息の特徴

思春期喘息の特徴として,男女比がほぼ同数になります.血清IgE値は小児期よりは低下する傾向を示しますが,成人期よりは高く,家族歴も濃厚で,依然アトピー型気管支喘息が多く,ハウスダストやダニなどの環境アレルゲンの影響を受けます.

小児期には発作時に肺機能の低下や気道過敏性の亢進がみられても非発作時には正常に復するものが多いですが,思春期になると非発作時にも正常に復しない傾向を示します.小児期には発作をコントロールすれば気道過敏性が改善しますが,思春期になるとコントロールをしても容易には改善しなくなります.

思春期喘息には注意が必要!

思春期喘息では,治療管理の主導権が保護者から患者本人に移行します.重症例ほど学校の欠席日数が多く,学業成績が不良になります.親子・友人関係,学業,進学,就職などに関連して多忙なため,生活が不規則になりがちです.罹病期間が長いために,病気に対する慣れと治癒に至らない焦りがみられるようになります.喘息の治癒を望み,症状をコントロールする治療に不満を抱くようになります.発作がコントロールされにくいために,職業の選択の自由が制限されます.

思春期には喘息死が増える!

思春期には気管支喘息による死亡が多発します.保護者の監督から外れるため十分な治療を受けることが少なくなり,その結果治療が発作時のみの対症的なものに陥りやすくなります.また,学業や仕事などで通常の診療時間の受診ができにくく,救急外来のみの受診を繰り返し,病状を悪化させてしまいます.このように,小児期にはみられなかった様々な問題が思春期には起こります.

どうしたらいいか?

小児気管支喘息が治癒に至るか否かは,小児期にコントロールが良かったかそうでなかったかに左右されます.服薬や吸入療法を励行して発作を抑えた場合の方がそうでない場合に比べ治癒に至る確率が高くなります.良好なコントロールを得るには,発作時だけではなく非発作時にもきちんした治療が必要です.

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