注意欠陥/多動性障害(AD/HD)とは?

注意欠陥/多動性障害(AD/HD)では,(1)不注意(忘れ物が多い,物事に集中できない,うっかりした間違いをしやすい),(2)多動性(落ち着きがなく,じっとしていることができない),(3)衝動性(思いついた行動を唐突に行い,順番待ちや我慢ができない)といった症状が,少なくとも2つ以上の状況(例えば学校と家庭など)でみられます.

これらの行動は,程度の差はあるものの,誰にでも認められます.しかし,年齢不相応にこのような行動が目立ち,長期間持続していて,学校での生活や友人との関係などに問題が生じている場合に,AD/HDと診断されます.

AD/HDは,遺伝的要因,出産時のトラブル,環境因子が複雑にからみあって,脳の機能の発達・成熟に偏りが生じ,症状が発現すると考えられていますが,原因は詳しく分かっていません.親のしつけが悪いためにAD/HDになるというのは誤解です.

AD/HDの頻度は学齢期で3-7%と推定されています.性比は男児5-8対女児1で,男児に多い傾向があります.児童期にAD/HDと診断された症例の70%は思春期になっても症状を持ち,30-50%は成人になっても症状を持ち続け,日常生活上に何らかの支障があるようです.

AD/HDでは,怒りっぽくなり反抗的な態度や攻撃的な行動を起こす,学習の遅れ,社会的スキルを身につけることが苦手で友達とトラブルになる,劣等感のため自尊心や自己評価が低くなる,情緒面で不安定になる,などの2次的な問題を引き起こす可能性があります.

診断は?

小児科医または精神科医の診断が必要になります.新潟県内には「中央児童相談所」「はまぐみ小児療育センター」「長岡赤十字病院精神科」「新潟県立精神医療センター児童外来」などに専門医がいます.お子さんに疑いがある場合には,当院に御相談ください.専門医を御紹介します.

治療

(1)心理社会的治療:環境調整(患者を取り巻く関係者がAD/HDを理解する),親トレーニング(親が理解し対応を学ぶ),社会技能トレーニング(本人が社会適応や対人関係を学ぶ)などがあります.

(2)薬物療法:コンサータ錠が第1選択になります.コンサータ錠は,神経伝達物質(ドパミン,ノロアドレナリン)の働きを活性化することにより,AD/HDの症状である不注意,多動性,衝動性などの症状を改善します.1日1回朝に服用することで,約12時間効果が持続します.

*コンサータ錠は,日本小児科学会認定専門医などの資格を持ち且つ特別な講習を受けた「コンサータ錠登録医師」しか処方できません.当院で処方できます.ご相談ください.